フランスのリヨンを拠点とする市場調査ソリューションプロバイダーのReportLinker社のレポートは、ブロックチェーンを使ったアイデンティティ市場が、年率71%近くの高い成長を遂げると予測している。

レポートでは、政府やヘルスケア、銀行・金融サービス・保険(BFSI)、地域、アプリケーションなどのセクター別に分類された調査に基づいて予測を行っている。

アクセンチュアやアマゾン、ビットフューリー、シビック・テクノロジーズなど、複数のブロックチェーンアイデンティティ市場のベンダーの分析をもとに、レポートでは、2021年から2025年の間に世界市場全体で35億8000万ドルの成長が見込まれると指摘した。

この調査の前提には、オンラインサービスやクラウドサービスの普及と、広くデジタル化が進む中で、ブロックチェーンによるアイデンティティ管理の市場が拡大していくというものがある。既報のように、より効率的で、分散化され、プライバシーを重視したアイデンティティ・ソリューションへの需要は、公共サービスから物流・サプライチェーンネットワーク、さらには消費者向けのウェアラブルなどのスマートデバイスに至るまで、多種多様な分野で発生している。

デジタル化の進展に伴い、オンラインで公共・民間の基本的なサービスを受けるためには、安全な本人確認を行うことが避けて通れない要件となりつつある。

また、ソーシャルメディアの世界的なユーザー数が38億人を超えたことを受けて、ブロックチェーンは、データ窃盗やプライバシー侵害などの脅威からこれらのユーザーを守ることができる唯一の適切かつ公平なアイデンティティソリューションであると主張する人もいる。

今月初め、イーサリアムの共同創設者であり開発責任者でもあるヴィタリック・ブテリン氏は、イーサリアムネットワークの将来像について、金融以外のさまざまな用途を想定して説明し、その中で、分散型ソーシャルメディアとアイデンティティの検証・認証の両方を含む分野を挙げた