かつて仮想通貨懐疑派だったブラックロックのラリー・フィンクCEOとロブ・ゴールドスティーンCOOが、トークン化が仮想通貨業界と伝統的金融をつなぐ「橋」になると主張し、同分野へのコミットメントを一層強めている。
両氏は12月2日に英エコノミストへ寄稿した論説記事の中で、トークン化が既存の金融システムをすぐに置き換えるわけではないとしつつも、両業界を統合へ導く役割を果たすと述べた。
「これは川を挟んで両岸から建設される橋のようなものだ。片側には伝統的な金融機関が、もう片側にはステーブルコイン発行者、フィンテック企業、パブリック・ブロックチェーンといったデジタル発のイノベーターがいる」と両氏は書いている。
「両者は競争しているのではなく、相互運用性を学んでいる段階だ。将来、人々は株式や債券を1つのポートフォリオに、仮想通貨を別のポートフォリオに保有することはなくなるだろう。あらゆる資産を1つのデジタルウォレットで売買・保有できるようになるかもしれない」
ブラックロックは運用資産総額13.4兆ドルを超える世界最大の資産運用会社で、共同創業者であるフィンク氏はかつて仮想通貨に懐疑的だったが、後に考えを改めた。
トークン化の価値を理解し始めた
フィンク氏とゴールドスティーン氏は、トークン化がかつては投機性の強い「仮想通貨ブーム」と絡み合っていたため、大きな可能性が見えづらかったと述べた。
「しかし近年、伝統金融はそのハイプの下に隠れていたものを理解し始めた。トークン化は、現在の市場を支配する上場株式や債券を超えて、投資可能な資産の世界を大きく広げる」と両氏は付け加えた。
ブラックロックはすでに28億ドル規模の世界最大のトークン化キャッシュ市場ファンド「BUIDL」を運用しており、2024年3月にローンチした。
トークン化の進展には規制の更新が不可欠
ただし両氏は、トークン化が安全に進展するには「適切な規制」が不可欠であり、伝統金融とトークン化市場が連携できるよう政策当局がルールを更新する必要があると指摘した。
両氏は、債券ETFが固定収入市場を改革した例を引き合いに出し、ディーラーマーケットと公開市場を結びつけることで投資家の効率的な取引が可能になったと説明した。
「そして現在、現物ビットコインETFによってデジタル資産も伝統的な取引所に上場されている。これらのイノベーションはすべて橋を築いてきた。同じ原理がトークン化にも当てはまる」と述べた。
「規制当局は一貫性を目指すべきだ。リスクはパッケージ化されているかではなく、実態で評価されるべきである。債券がブロックチェーン上にあっても、それは依然として債券なのだ」
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