ブラックロックが米デラウェア州で新たなステーキング対応イーサリアム上場投資信託(ETF)の名称登録を行った。運用資産13.5兆ドルの世界最大級の資産運用会社が、主力のイーサリアムETFに続く新商品拡大へ向けて動き出したことを意味する。
デラウェア州での名称登録は、ETFの申請プロセスで発行体が行う最初の手続きの1つにすぎない。ブラックロックは、規制承認への道筋を整えるために、今後も関連書類を提出する必要がある。
この新商品は、ブラックロックのiシェアーズ・イーサリアム・トラストETF(ETHA)の補完商品となる可能性がある。ETHAは2024年7月のローンチ以来、131億ドルの資金を集めている。
ブラックロックは当初、現物イーサリアムETFにステーキング機能を追加しなかった。同社のウェブサイトでは次のように説明している。
「現時点でiシェアーズ・イーサリアム・トラストETFはイーサをステーキングしない。ステーキングには運用上の複雑性と規制上の問題があり、現段階では実現不可能である」
しかし7月には、同社を含む複数の発行体が米証券取引委員会(SEC)に対し、ETHAにステーキングを組み込むための規則変更を提案していた。
トランプ政権下で仮想通貨ETFに柔軟姿勢
トランプ政権下の米証券取引委員会(SEC)は、新たな仮想通貨ETFに対して従来より前向きな姿勢を示している。最近では標準化された上場基準を導入し、個別審査を省くことで承認プロセスを迅速化した。
ブルームバーグETFアナリストのエリック・バルチュナス氏によれば、今回のブラックロックのステーキング型イーサリアムETFは1933年証券法に基づいて登録されており、高い透明性、投資家保護、そして公開販売前の十分な開示が求められるという。
現在、約70の仮想通貨関連ETF商品が承認待ちとなっており、10〜11月の米政府閉鎖が審査の進捗に影響を与えていた。
ブラックロックの今回の動きは、9月にREXオスプレイ、10月にグレースケールがステーキング対応のイーサリアムETFをローンチした流れに続く形となる。
ステーキング対応ETFはより高いリターンを提供する可能性
イーサリアムETFにステーキングを組み込むことで、価格変動によるリターンに加えて安定した利回りが加わり、トータルリターン型のファンドへと進化する。
これにより、これまで「収益性の欠如」を理由にイーサリアムETFを敬遠していた利回り重視の投資家層を取り込む可能性が広がる。
ブロックネイティブのデータによれば、イーサリアムの平均年利ステーキングリターンは約3.95%である。
ブラックロックはアルトコインETFの波には乗らず
他の発行体が近月、複数のアルトコインETFを申請している一方で、ブラックロックは距離を置いている。同社が最近申請したのは、iシェアーズ・ビットコイン・トラストETFの発展版にあたるビットコイン・プレミアム・インカムETFのみだ。
ビットコイン・プレミアム・インカムETFは、カバードコール戦略でオプションプレミアムを得ることで利回りを生み出す設計となっている。
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