資産運用会社ブラックロックが仮想通貨カストディサービスでアンカレッジ・デジタルと提携した。この動きは、個人および機関投資家によるデジタル資産への需要の高まりに対応することを目的としている。
4月8日の発表によると、ブラックロックは運用資産総額11.6兆ドルを誇る世界最大の投資会社である。同社は仮想通貨の上場投資商品(ETP)の最大手のひとつであり、アーカムのデータによれば、ビットコイン(BTC)を453億ドル分、イーサ(ETH)を17億ドル分保有している。
BlackRock’s crypto holdings. Source: Arkham Intelligence
アンカレッジは、米国で唯一の連邦認可を受けた仮想通貨銀行だ。今回の提携により、カストディ業務に加え、ステーキングや決済サービスへのアクセスもブラックロックに提供される。アンカレッジは現在、ブラックロックのBUIDLファンドをサポートしており、同ファンドは米国債に裏付けられた20億ドル規模のトークン化ファンドで、実世界資産への投資を目的としている。
なお、ブラックロックは「iシェアーズ・ビットコイン・トラストETF」に組み入れられたビットコインのカストディにはコインベースを利用している。
ビットコインETFは2025年にかけて不安定な展開に直面
2024年1月にデビューして以来、ビットコイン関連のファンドには累計で360億ドルの資金流入があった。しかし、ETFのパフォーマンスを追跡しているSosovalueのデータによれば、2025年は流入と流出が激しく交互に発生するなど、変動の大きい年となっている。
Bitcoin ETFs daily inflow-outflows. Source: Sosovalue
Sosovalueによると、ブラックロックの「iシェアーズ・ビットコイン・トラストETF」は競合他社を上回る成績を記録しており、純流入額は390億ドルに達している。同社はすでに欧州でも仮想通貨ETPを立ち上げている。