米資産運用会社ブラックロックが運用するビットコイン現物ETF「IBIT」の保有量が、マイクロストラテジーの保有量を上回った。仮想通貨取引所ビットメックスの調査部門ビットメックス・リサーチのデータで明らかになった

IBITは1月10日に米国証券取引委員会(SEC)から承認を得て運用開始。3月8日時点で197,943BTCを保有し、約135億ドル相当となっている。これは、マイクロストラテジーの保有量193,000BTCよりも約5,000BTC多い。

グレイスケールのGBTCを除いた米国の新規ビットコイン現物ETF9つの合計資産は約280億ドルに達しており、機関投資家の需要がビットコイン価格上昇の要因となっている。3月8日にはビットコイン価格は初めて7万ドルの大台を突破した。

X社(旧ツイッター)では、OTC(店頭取引)プラットフォームで、ビットコイン不足により、注文を満たすために公開市場に流入しているとの報告がある。OTCデスクは通常、機関投資家などの大口投資家を顧客としている。

ソフトウェア企業マイクロストラテジーは、ETF発行者ではないが、企業財務戦略の一環として193,000BTCのポートフォリオを構築している。同社は、負債を利用して事業運営と投資を賄うレバレッジ経営戦略を採用している。

マイクロストラテジーは、ビットコイン戦略を強化しており、最近6億ドル以上の調達を目指した債券発行計画を発表した。これはビットコイン保有量を増加させるための資金として利用される。

ビットコイン中心の戦略により、マイクロストラテジーの株価は「レバレッジ型ビットコインETF」と称されるほど上昇している。この戦略はこれまで効果を発揮しており、マイクロストラテジーの株価は過去12ヶ月で642%上昇し、同期間のビットコイン価格上昇率244%を大きく上回っている。

マイクロストラテジーのマイケル・セイラーCEOは、保有するビットコインを売却する意向がないことを表明している。「私は常に最高値で買い続ける。ビットコインは出口戦略だ」と、2月20日にブルームバーグに対して語った。

MicroStrategy (MSTR) 1-year performance as of March 8. Source: Google Finance.

セイラーCEOは、ビットコインは金、S&P500指数、不動産よりも「技術的に優れている」と主張している。これらの資産クラスの市場規模はビットコインよりもはるかに大きいにもかかわらずだ。

「ビットコインはこれらの資産クラスよりも技術的に優れている。そうである以上、勝者に売って敗者に買う理由は全くない。」