資産運用会社ビットワイズは3月11日、ビットコイン(BTC)を大量に保有する企業の株式を組み込んだ上場投資信託(ETF)を発表した。
この新たなビットワイズ・ビットコイン・スタンダード・コーポレーションETF(OWNB)は、「企業の財務資産として少なくとも1000BTCを保有する企業の株式で構成される『ビットワイズ・ビットコイン・スタンダード・コーポレーション・インデックス』に連動することを目指す」とビットワイズは説明している。
このETFは、大量のビットコインを保有する企業への投資機会を提供する新しい金融商品の一環として登場した。
ビットワイズの最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏は、「なぜ企業がビットコインを購入し、保有するのかと疑問に思う人は多い。しかし、その答えはシンプルだ。個人がビットコインを持つのと同じ理由だ」と述べた。
「これらの企業は、ビットコインを流動性が高く希少な戦略的準備資産とみなし、政府の政策や紙幣増刷の影響を受けない手段として活用している」と同氏は強調した。
上場企業は最大のビットコイン投資家の1つだ. Source: BitcoinTreasuries.NET
ビットコイン保有企業のインデックス
3月11日時点で、このETFの主要構成銘柄には、マイケル・セイラー氏が率いるストラテジー(MSTR)や、ビットコインマイニング企業のMARAホールディングス(MARA)、クリーンスパーク(CLSK)、ライオット・プラットフォームズ(RIOT)などが含まれている。
また、ゲーム企業のBoyaaインタラクティブや投資会社のギャラクシー・デジタル(GLXY)も組み込まれている。
ビットワイズによると、このインデックスは企業のビットコイン保有量に基づいて加重されており、最大の保有銘柄の比率は20%に制限されている。
OWNBの保有銘柄 Source: ビットワイズ
企業のビットコイン保有が拡大
2024年、ビットコイン価格の上昇に伴い、ストラテジーの株価は350%以上の急騰をみせた。この動きを受け、多くの企業がビットコインを企業財務に組み込むようになった。
BitcoinTreasuries.NETによると、3月11日時点で企業によるビットコイン保有額は540億ドルを超えている。
その中でもストラテジーは最大の企業ビットコイン保有者であり、同社の財務資産としてのビットコイン保有額は410億ドルを超えている。
さらに米国政府も、法執行機関による押収ビットコインを中心とした「戦略的ビットコイン準備金」を創設している。
ビットワイズのような投資商品を提供する動きは他の資産運用会社にも広がっている。
2023年12月、元米大統領候補のヴィヴェック・ラマスワミ氏が設立した資産運用会社ストライブは、「ストラテジーや他のビットコイン保有企業が発行する転換社債に投資するETF」の上場を米国の規制当局に申請した。
また、資産運用会社REXシェアーズも3月10日に、ビットコインを企業財務に組み込んだ企業を対象とするETFを準備中であると発表した。