世界で最も長く運営されている仮想通貨取引所の1つであるビットスタンプは、グローバル展開を進めようとしており、業務拡大に向けた新たな資金調達を進めている。

ブルームバーグによると、ビットスタンプは6月下旬に資金調達のプロセスを開始し、マイケル・ノヴォグラッツ氏のギャラクシーデジタルホールディングスがアドバイザーを務めている。

ビットスタンプは、集められた資金を2024年に欧州でデリバティブ取引を開始し、アジアのいくつかの市場でサービス提供を拡大するために使う予定だという。また、イギリスでのサービス拡大も視野に入れているとのことだ。

ビットスタンプのジャン=バティスト・グラフティオーCEOは、個人および機関投資家向けのサービス拡大のため、資金調達に専念していると述べている。「ビットスタンプは売り出し中ではなく、積極的に会社を売るつもりもない」とも付け加えている。

ビットスタンプを巡っては、大手ブロックチェーン企業リップルが2023年第1四半期にビットスタンプの少数株式を取得している。この取引についても、ノヴォグラッツ氏のギャラクシーがアドバイザーを務め、5月下旬に公表された。

ビットスタンプがビジネスを拡大しようとする最新の取り組みは、2018年に韓国のNXCと関連する投資ファンドNXMHによって同社が買収された際に発表されたグローバル展開計画と一致している。当時、ビットスタンプの共同創業者であるネイツ・コドリッチ氏は、「売却を考えていない」とし、「投資を求めていない」とした。しかし、コドリッチ氏はビットスタンプ株の大部分を現金化する機会を逃さず、10%を保持しCEOを続けた。

2011年にスロベニアで設立され、ルクセンブルクに拠点を置くビットスタンプは、かつてビットコイン(BTC)取引の主要な場所であり、当時の主要なビットコイン取引所であるMt. Goxのオプションとして利用されていた。ビットスタンプは現在、世界最大級の仮想通貨取引所の一つで、最近の24時間で約1億2700万ドルの取引量を記録している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン