25日27日のビットコイン急落のきっかけとして、仮想通貨取引所ビットメックスでの巨額ロングポジション解消があげられている。100倍レバレッジが有名なビットメックスだが、本当に仮想通貨相場に影響を与えているのか?クリプト・クオントがレポートで解説した

(出典:Crypto Quant「ビットメックスからの流出額(下)とビットコイン価格(上))

日本時間25日未明のビットコイン急落の数時間前、ビットメックスから大量の資金流出があった。クリプト・クオントによると、確かにビットメックスからの流出額の急増はビットコイン価格に大きな影響あたえる。去年11月14日にビットメックスからの資金流出額が急増した後も、ビットコインが急落している。

背景にあるのは、ビットメックスの「特別な」出金ポリシーだ。ビットメックスは入金は常時可能だが、出金はUTC時間13時(日本時間22時)に1回のみ行われる。つまり、この時間帯は流出が流入を大幅に上回ることになり、ビットメックスでのマージン取引は流動性の不足にさらされることになる。結果、大量のポジション解消につながりやすくなるというわけだ。

ビットコイン急落は、25日は日本時間の3時過ぎ、27日は1時過ぎに始まった。両日とも、ビットメックスの出金時刻(22時)から数時間で起きたことがわかる。

ただ、ビットメックスからの流出が毎回ビットコイン下落に繋がるわけではない。実際、今年4月2日に流出額が急増した時などビットコイン価格が上昇する時もあった。

(出典:Crypto Quant「ビットメックスからの流出額(棒グラフ)とビットコイン価格(折れ線グラフ))

クリプト・クオントは、過去の傾向からビットメックスのウォレットから1日に5000BTC以上が引き出される時は、その後の急激なボラティリティの高まりを警戒した方が良いとみている。

その上で、クリプトクオントは、「流動性の危機が来ることを素早く察知してリスクヘッジするためにはオンチェーンのデータが一段と重要になることが分かる」と指摘。ビットメックスからのデータを制することがビットコイン相場を生き残る上で「勝者の戦略」になると話している。

【関連記事:仮想通貨ビットコイン、深夜に暴落 再び8000ドル下回る 「極端な恐怖」克服できず