ビットメックス事件の発生から約1週間が経過した。

100倍レバレッジが有名な仮想通貨取引所ビットメックスからビットコイン資金の流出が懸念されていたが、現在は同取引所は資金流入が起きるまで持ち直している。10月7日にコインメトリックスが最新のニュースレターの中でデータを公開した。

10月1日、SEC(米証券取引委員会)は、未登録でトレーディング事業を行って不当に利益を上げていたとしてビットメックスのアーサー・ヘイズCEOなどを訴追。同日に米国の司法省は、ビットメックスのサミュエル・リードCTOを逮捕したと発表した。

ビットメックス閉鎖という事態に備えてマーケット関係者の間では緊張が高まった。とりわけビットメックスの資金は、ヘイズ氏など3人の創業者が鍵を持つマルチシグのウォレットで管理されている。ウォレットを開けるためには3人のうち2人のウォレットが必要であり、もし複数の共同創業者が捕まったらビットメックスの資金が利用できなる懸念があった。

現在、ヘイズ氏は逃亡中だという。

また、10月7日のザ・ブロックによると、ブロックチェーンの不正取引調査分析を手がけるチェイナリシスが、顧客に対して、ビットメックスでの取引リスクが「高い」と警告した。

実際、ビットメックス事件が発生した日にビットメックスの資金流出額は1日として過去最高を記録。10月1日に2万BTC、10月2日に3万4000BTCが流出した。

しかし、10月3日ころにはビットメックスの資金がロックされるわけではないという安心感からか、資金の逆流が開始。10月4日には約472BTCの流入があった。

(出典:CoinMetrics「ビットメックスにおけるビットコイン(BTC)の流入額と流出額」)

9月30日から10月3日まで5億ドル(約525億円)分のビットコインがビットメックスから流出した。しかし、ビットメックスは未だに15億ドル(約1575億円)近くのビットコインを保有している。

(出典:CoinMetrics「ビットメックスのビットコイン(BTC)供給量」)