証拠金に100倍のレバレッジをかけてビットコインを取引するサービスを提供する仮想通貨取引所ビットメックスのアーサー・ヘイズCEOが、ビットコイン先物が相場にさらなる波乱をもたらす可能性について警笛をならしている。

   ビットコイン先物は機関投資家のビッグマネーが現物を買うことなくビットコイン取引に参入する窓口としてもてはやされている。CBOEよりも格段に規模の大きいCMEグループが今月18日に先物取引をスタートさせると、さらに多くの機関投資家たちが流入するのではないかといわれている。仮想通貨全体の時価総額は現在50兆円まで膨れ上がっているが、金融市場やデリバティブに流れている資金に比べると大河の一滴にすぎない。大波がやってくると声高に叫ばれる所以だ。

   ヘイズ氏によると「最初のうちは先物契約の構造上、ビットコインのボラティリティは高められる」。

   「例えば先物取引は週末に休場になる。グローベックス先物契約と同様に、金曜にしまって日曜夜に取引再開される。上下20%の値動き制限があるから、ロンドン時間で午後4時にしまってから24時間は上下20%は動けないことになる。」

   「(今年11月にビットコインからビットコインキャッシュに資金がうつって波乱相場になった時のように、)金曜から日曜の間にビットコインが30%値下がりしたとする。CMEで先物取引がストップ安で始まり取引が約定しない。取引が再開して即座にロスカットされるトレーダーがでてくる。」

   また同氏は、取引所にはらむリスクにも懸念を示した。

  「指数を構成している取引所の大半において流動性が少なく、現状でも取引量を処理しきれていない。先物契約の決済日の前に悪意を持った何者かがサービス妨害攻撃をしかけ価格を動かそうとしたり、一部の顧客のロスカットを誘発しようとする可能性も考えられる。」

   ちなみに先物取引には影響しなかったものの、ビットコイン先物取引スタートと同時に、CBOEの公式サイトはアクセス過多で開けなくなった。