ビットコイン(BTC)のASIC(特定用途向け集積回路)の主要メーカーであるビットメインは10月26日、新空冷型BTCマイニング機「Antminer T21」を正式発表した。同社の広報担当者はコインテレグラフに対し、ビットメインの最新のマイニング機は、2024年1月に出荷開始予定であると明らかにした。

ビットメインはTwitterで、同社の新空冷型マイニング機であるAntminer T21のワールドプレミアを発表。同機は周囲の温度が45度までの環境に対応できるという。

ビットメインのマーケティング責任者であるリン・シュメイ氏によると、Antminer T21のグローバルリリースは、ビットメインが「ダイヤモンドスポンサー」を務めたドバイの「Blockchain Life 2023」フォーラムで行われた。

空冷型マイニング機は、ビットコインなどのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のマイニングに使用されるSHA256マイニングアルゴリズムをサポートしており、ビットコインキャッシュ(BCH)やビットコインSV(BSV)などのフォークされたコインもサポートしている。T21は、1秒あたり190テラハッシュの計算能力と、1テラハッシュあたり19ジュールのエネルギー効率を備えている。

Bitcoin Antminer T21. Source: Bitmain

イベントでは、ビットメインはAntminer T21の購入者に、仮想通貨価格の下落に備えたビットメインの価格保護プランの購入機会を提供した。このプランは、2023年11月25日まで利用可能で、1か月、3か月、または6か月の期間、BTC価格の下落から顧客を保護する。

同社によると、保護期間内の任意の参照日において、BTC価格がストライク価格(オプションを行使するときの価格)を下回った場合、顧客は現金で補償を受ける。補償は「トリガーイベントが発生した直後に支払われる」という。

Bitmain’s fluctuation protection plan. Source: X (formerly Twitter)

Antminer T21は、ビットメインが販売する複数のマイニング機器の1つであり、カナーンやマイクロBT、ビットフューリーなどの他社からも、さまざまなASICマイニング機が製造されている。

中国のカナーン(旧称Avalon)は、2013年1月にビットコインマイニングASICをリリースした世界初の企業の1つであり、GPUやCPUのセットアップと比較してハッシュパワーが大幅に向上したため、消費者が仮想通貨を大規模にマイニングできるようにした。

最初のマイニングデバイスをリリースしてから10年、カナーンはまだ新しいマイニングマシンを発表し続けている。9月中旬、カナーンは10周年を記念して新しいA14シリーズのマイナーを正式にリリースした。10月26日、カナーンは持続可能性を重視したA1466およびA1466Iマイナーを中東で発売した。この新しいマイニング機は、水冷と空冷のオプションを備えている。

カナーンやビットメインなどの企業が新しいマイニング機器を急速に導入しているにもかかわらず、ASIC業界は近年、いくつかの課題に直面している。コインテレグラフが以前に報じたように、2022年後半には、新しいマイニング機が市場に氾濫する中、ASICマイニング機の価格は1テラハッシュあたり80%以上急落した。