今週の仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)は文字通りV字回復を果たした。

2月中頃に1万400ドル付近で今年最高値をつけた後、新型コロナウイルスによる経済混乱のあおりを受ける形で3月半ばまでにビットコインは3700ドル付近まで急落。しかし、その後は3日後に控える半減期やインフレ耐性のある資産としての期待感から急回復。5月8日には1万ドルを回復した。

1か月で170%下げた後、2か月かからずに170%取り戻した。

執筆時点ではビットコインは若干値を下げていてマイナス1.5%の9700ドル付近で推移している。

(出典:Coin360 日本時間5月9日18時45分時点)

仮想通貨業界はGECKOsが牛耳る?

株式市場よりも一足早くビットコインは3月のマーケット暴落前の水準を回復したが、未曾有の不景気の中で仮想通貨業界の中では勝者と敗者がはっきりと分かれることになるかもしれない。

ブロックチェーン分析メディア「メサーリ」共同創業者のライアン・セルキス氏は、FAMGA(フェイスブック、アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン)への人材の流入が続く一方で、仮想通貨業界ではGECKOs(グローバルエクスチェンジ(世界的な取引所)、コインベース、クラーケン、オールドICOs)が2020年景気低迷期の勝者になるだろうと予想した。

グローバルエクスチェンジに含まれるのはバイナンスやフォビ、FTXだ。既報の通り、バイナンスやコインベース、クラーケンは新型コロナ後も雇用を拡大している。

また、2017年のイニシャルコインオファリング(ICO)ブームで余剰資金を獲得した会社は優位とみている。

「仮想通貨業界は開発者の人材獲得で厳しい局面に直面するだろう(2015年の弱気相場のような)。2017年ICOブームの余剰資金がなければね」

セルキス氏は、リップルやステラ、テゾス財団、ブロックワンなどは未だにバランスシートに数十億ドルを保有していると指摘した。