実施迫るビットコイン分岐案SegWit2xとは

様々なメディアを通して、Segwit2x (ビットコインの分岐案) 関連のニュース、意見、投稿、騒ぎ、ネット上の拡散が増えていることにお気づきだろう。これらの情報をいくつか目にして、まるで異なる言語で書かれたものを読んでいるようにわけが分からなくなってしまっているかもしれない。

議論は全体的に非常に専門的になりがちで、いわゆるビットコインの 分岐についての増え続けるReddit上の書き込みに気にかけるべきか迷ってしまうかもしれない。そこで、Segwit2xを分かりやすくするために、分岐について分かりやすい言葉でかみ砕いて説明してみたい。

従来型ビットコインの問題点

現在のバージョンのビットコインを「従来型ビットコイン」と呼ぶことにしよう。現在のところそのブロックのサイズの上限は1 MBである。これは、ビットコインのごく初期にネットワークノードが攻撃されるのを防ぐためにSatoshiが設定した上限である。なぜ上限を1 MBにしたかというと、当時はブロックの99%が空で、システムは後で必要になった時アップグレードすればよい、時間はまだまだあると思われたからである。

ビットコインの普及につれてネットワーク上で処理すべき取引量が激増し、積み重なり、列をなすようになった。ブロックは10分ごとに見直されるのだが、その10分の間の取引量が1 MBを超え、より空きの多いブロックがマイニングされるまで処理が後回しになる取引もでてきた。  

このような渋滞により、取引を検証するのにかかる時間が長くなり、取引中の送り主に負荷がかかり、彼らの取引 (tx) 手数料が上昇した。この手数料はマイナーが現ブロックに取引を記録するインセンティブになるものである。ブロックがいっぱいになれば新しいブロックに参加するための手数料は比例して上昇する。送り主がより高い手数料を払う場合ビットコインの取引コストは非常に高くなり、低い手数料しか払わない場合、取引速度は非常に遅くなった。

解決策: SegWit

コア派の開発者がある解決策を見つけた。Segregated Witness (SegWit)である。SegWitは現在のビットコインソフトウェアに組み込まれている。これは取引データを署名データから切り離すもので、それにより一つのブロックに入れられる取引量が4倍になる。さらに重要なことは、SegWit とソフトウェア内のいくつかのバグは、ライトニングネットワークのようなアップグレードを将来的に可能にするのである。

Segwit2xとは何なのか?

しかし皆がSegwitの実施だけで満足したわけではなかった。ビットコインのブロックのサイズ上限そのものも拡大する方が良いと考える人もいたのだ。そうすればライトニングネットワークが配置されている間にネットワークにさらなる成長の余地を与えることができるというわけだ。コア派の開発者がブロックサイズの拡大に反対しているのは主に、それにはハードフォーク(分岐)が必要で、この種の分岐は潜在的な危険をともなうと考えているからだ。ハードフォークをすると、コンピューターの新しいソフトウェアと従来版との間の互換性がなくなる。もし間違えば、本当にひどいことが起こるだろう。

2017年5月23日に米Digital Currency Groupはニューヨーク合意(NYA) を発表した。NYAには多くのビットコイン企業とビットコインのハッシュパワーの80%以上を占めるマイナーが署名した。署名者は、SegWit2xと呼ばれる妥協策を受け入れた。SegWit2xは、SegWitの早急な実施を要求し、それに続き11月にハードフォークをおこなってブロックサイズを倍にするというものである。

Segwit2xにはリプレイアタック対策が欠如

多くの人が不安を抱いているのは、SegWit2xにはリプレイ対策が施されていないという点である (最近になってSegWitx開発の監督者 Jeff Garzikが、選択すれば適用されるオプトイン式のリプレイ対策を導入したが)。

リプレイアタックとは次のようなものである。分岐が行われた後、分岐されたチェーン上でボブがアリスに10ビットコインを送金したとしよう。アタッカーはこの取引を従来のチェーン上にコピーし、そこでもボブに10ビットコイン送金させることができる。オプトインしない限りSegWit2xにはリプレイ対策が施されていないのでユーザーはリプレイアタックの対象となる可能性がある。

「ハードフォークするには早急すぎる」

コア派の開発者はハードフォークの実施は早すぎる (SegWitのわずか3か月後) し、ハードフォークの実施が受け入れられるためにはコミュニティがその準備をし、分岐に関する合意に達するための長い時間が必要であると考えている。仮想通貨コミュニティの多くのメンバーはハードフォークは分散したコミュニティの統合体 (この言い方がちょっと矛盾しているのは分かっているが) を弱体化するので、ハードフォークを嫌っている。

11月16日に備えて私たちができること

SegWit2x は2017年11月16日あたりに実施され、その結果2つのチェーンが存在することになる。一方はビットコインコア (従来のビットコイン) 、他方はビットコインのSegWit2x 版である。もし分岐が圧倒的多数のマイナーによって支持されればどちらが「本物の」ビットコインなのかをめぐって深刻な混乱が起こるだろう。

仮想通貨コミュニティの人々は、ネット上の掲示板やツイッター上やらで興奮し、騒ぎたてるのが大好きだが、近づくこの分岐については心配する理由はない。考えてみてほしい。ビットコインはたったの2100万ビットコインしかないのだ。ビットコインは有限の資源で、デフレ通貨である。ホコリがおさまったらなんの問題もなくなるだろう。

しかしながら、安全のために自分の秘密鍵は身に付けておこう。この安全対策は特にハードフォークの実施されている間は心に留めておくべきだ。コインベース取引所で使われているようなオンライン上のウォレットにビットコインを保有している場合、サーバーに支障が生じたら何が起こるか分からない。そしてサーバー上ではしばしば支障が起こるものなのだ。

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