もし世界で電力が一斉にダウンしたらどうなるか?仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)と銀行はどちらの方が生き残る可能性が高いのか?ビットコインはブロックの作成に必要なマイニングで多くの電力を消費する。また、そもそもビットコインは「インターネットのマネー」でありインターネットに依存する。このため、もし世界で突然電力供給が停止したら、ビットコインにとって一巻の終わりになるのだろうか?

Bitcoin Energy Consumption Relative to Countries. Source: Digiconomist.

(出典:Digiconomist「ビットコインのエネルギー消費量(国別)」)

ビットコインはインターネット必要ない?

仮想通貨業界を代表する教育者であるアンドレアス・アントノプロス氏は、上記のシナリオに反対だ。ビットコインは、その分散型の性質によって伝統的な銀行システムより電力供給ストップという災害に対して耐久力があるとみている。

「実際、もし大規模な停電やインターネットなどのインフラに打撃を与える自然災害が起きた時、一番最初に回復するのはビットコインだと思う。なぜならビットコインは自律したシステムを採用しているだけでなく、ユーザーやノード(ネットワークに参加するコンピューター)、マイナーが世界に分散して存在しており、復旧も地方レベルで分散型で行われるだろう。ビットコインは取引やブロック作成のためにインターネットが必要というわけではない」

またアントノプロス氏は、ビットコインは衛星やラジオ、電話回線を利用できると指摘。現在の電力供給インフラが停止して袋小路に追い込まれるのは既存の金融システムだろうと予想した。

一方、アントノプロス氏が脅威に感じているのは、政治によるビットコインへの攻撃だ。

「私は政治的な攻撃、とりわけ卑怯な政治的な攻撃を心配している。例えば、仮想通貨の税制面でのステータスを変更して地下経済に追いやることだ」

ただ同氏は政治的な攻撃を受けて一時的に価格は急落するかもしれないと予想しつつも、ビットコインのシステムが破壊されるわけではないという見解を述べた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン