「投資の神様」であるウォーレン・バフェット氏すら米ドルから撤退するほど弱体化していることから、まもなく仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)は史上最高値を更新することになると、マックス・カイザー氏は指摘している

ビットコイン強気派として知られるカイザー氏は、マクロ経済の予測で、ビットコインを含む金や銀などの安全資産が法定通貨を上回ることになるだろうと話した。

バフェットは「米ドルを手放す」

カイザー氏は8月31日にツイッターで「バフェットの日本株取得の動きは、金への投資とともに、彼が米ドルから『大きく』撤退していることを意味するものだ」とツイートした。

「米ドルは今日、下降トレンドにあり、重要なサポートを破ろうとしている。ビットコイン、金、銀の全てが、まもなく過去最高値を更新するだろう」

カイザー氏はバフェット氏の日本商社株取得の動きに言及。バフェット氏は日本の5大商社の株式をそれぞれ5%超取得したと発表しており、合計で60億ドル規模の投資をしたと報じられている。

「5大商社は世界各国に多くの合弁会社を保有しており、今後もさらに増えるだろう。将来的に相互利益の機会があることを期待している」とコメントしている。

今回の発表の数日前には、米連邦準備制度理事会(FRB)が一時的な措置として目標インフレ率を2%以上に引き上げることを発表。これが米ドルに重くのしかかった。

ドル指数(DXY)は31日から1日にかけて下落を続け、2年間で最も低い水準に到達した後、現在はやや反発している。2020年7月にこの水準に下落した際にビットコイン価格は12500ドルに上昇している。

既報の通り、ドル指数のさらなる下落によって、ビットコインの上昇を期待する声が上がっている

USD currency index 1-day chart

(出典:トレーディングビュー「ドル指数 1日チャート」)

BTCへの姿勢は変わるか

バフェット氏は一方で、マクロ戦略をとることで知られているが、ビットコインには懐疑的な姿勢のままだ。

このほど、株価の割安・割高感を判断する「バフェット指標」で、30ヶ月ぶりの高水準となったことで、世界の株式の過大評価と、調整局面の到来が警告されていた。

以前にはモルガン・クリーク・デジタルの共同創業者であるアンソニー・ポンプリアーノ氏が、バフェット氏の金採掘企業への投資するとの発表後に、最終的にはビットコインを購入することにつながると予想。カイザー氏もバフェット氏のこうした動きはビットコインを5万ドルに押し上げる動きにつながるとの持論を展開していた

過去にバフェット氏は仮想通貨が「悪い結末を迎える」と述べ、ビットコインは「殺鼠剤を二乗したものだろう」と批判している