ビットコインは、7200ドルの壁に再び跳ね返された。5月の半減期の効果に対する悲観論が出る一方、新型コロナウイルスによる経済危機の中でビットコインが伝統的な資産とどのように差別化をはかれるのか未知数である状況が続いている。独自のビットコイン分析で著名なPlanBは、半減期後のビットコイン上昇は長期戦になるという見方を示した。

(出典:Coin360 日本時間4月18日11時時点)

「半減期後の1~2年で上昇」

既報の通り、ストック・フロー比率によるビットコイン価格予測モデルを開発したPlanBは、4月16日、半減期後の2年間でビットコイン価格は「かなりの規模で」上昇すると予想した。

ブロック作成をするマイナーに支払われるビットコインが半減する半減期は、5月中旬に推定されている。PlanBは、今回も2012年と2016年と同じであると位置付け、ストック・フロー分析を基に「半減期後の1-2年で10倍(規模であり、正確ではない)上昇する」と予想した。

「半減期はストックフローモデルにとっても転換点となるだろう。今回の半減期がファンダメンタルズやネットワーク効果についてたくさんのことを教えてくれることを望む」

ストック・フローモデルは通常、流通量を年間の生産量で割った値でグラフを作成する。ビットコインに当てはめた場合のモデル価格は、ビットコインのストック(1800万BTCの流通量)とフロー(1年65万7000BTC)にサトシ・ナカモトが持っているとされる100万BTCの存在などを考慮に入れて計算する。

半減期前のビットコイン価格上昇率の低さから、今回の半減期は、2012年や2016年とは異なるという指摘も出ている

マイナーは耐えられるか?

もしあなたがマイナーで半減期前にビットコイン価格が7000ドルの時に100BTCの利益をあげているとしたら、1月の利益は70万ドルになる。もし半減期後に収入が50%減ったとしてもビットコイン価格が1万4000ドルまで上昇した場合は、半減期の効果を相殺できる。たとえ利益が50BTCになっても以前と同じように70万ドルの利益になるからだ。

しかし、PlanBが指摘するように半減期の効果が現れるまでに1〜2年かかるとすれば、マイナーはその間、まさに収入が半減した状態で耐えなければならなくなる。

実際、ロングハッシュによると、ビットコインのマイニング世界一のF2プール創業者であるマオ・シーシン氏は、「より多くのマイニング機器が停止に追い込まれるかもしれない」と話した。

マイナーが減少すると、マイニングにおける計算力を示すハッシュレートが減少する。このためビットコインのネットワークが不安定になる恐れがあるほか、ハッシュレートと相関の高いビットコイン価格の下落も見込まれる。