ビットコイン誕生の通説に反して「ビットコインは2008年の金融危機に対する反動で生まれたわけではない」という見解をニューヨーク大学のデービッド・ヤーマック教授が明かした。マーケットウォッチが13日に報じた。15日はリーマンショックからちょうど10年の節目にあたり、最近「金融危機と仮想通貨」をテーマにした論説が多く出ている。

一般的にはリーマンショック以降、金融システムが瀬戸際に追い込まれ、各国の中央銀行が金融緩和策に相次いで乗り出す流れになったことに対抗して、ビットコインと分散型の技術は生み出されたという見方が多い。しかし、フィナンスとビジネス専門のヤーマック教授は次のように異論を唱えた。

「ビットコインが2009年に生まれたのは、たまたまだ。ピアツーピア(P2P)のデジタル通貨を作ろうという数十年による努力のたまものにすぎない」

その上でヤーマック教授は、ネット通販サイトは、金融機関を信用できる第3者として完全に頼っていて、ほとんどの取引には支障がないが、サトシ・ナカモト氏が2008年に有名な論文で指摘した通り、「信用モデルには根本的な弱点がある」ということだと述べた。

ただ、金融危機にインスピレーションを得たわけではないが、タイミングが良かったので注目度がより高まった可能性はあると付け加えた。