「Too big to fail(リーマン・ショック・コンフィデンシャル)」の著者として知られるアンドリュー・ソーキンス氏が、2008年の金融危機から10年経つことを受けてCNNのインタビューに答え、ビットコイン(BTC)台頭の背景には、中央銀行やエリート層に対する人々の信頼がなくなってきていることがあると話した。金融危機から10年の節目を迎える今年、米国の大手テレビ局で歴史の中でのビットコインや仮想通貨の役割が意義付けられている。

ニューヨーク・タイムズの金融レポーターでもあるソーキンス氏、米国ではポピュリズムが台頭しが見国は分断されているが、その要因になったのが金融危機だと分析。とりわけ、政府や専門家に対する信用が失墜していて、「我々には専門家はもういらないんだ」という空気が出ていると話した。「フェイクニュース」という言葉の出現も同じ文脈で考えられるという。また、歴史的にも金融危機の次の10年はポピュリズムの台頭が見られ、我々はまさにそれを目撃していると指摘した。

その上で、ビットコインの人気が急上昇しているは、まさに人々の権威に対する信頼の欠如が現れていると主張した。

表向きには何が起きているか理解できる政府、エリート、特権階級に対する信頼が薄れた。持つ者と持たざる者の間にあったとみられる『たとえ持つ者がさらに持つようになっても他の人々を助ける』というある種の契約が守られなかった。そうした考えが崩壊した後の変化は早かった。そしてビットコインはその崩壊を示す良い例だ。突然、世界中に中央銀行を信頼しなくなった集団が相次いで出現した。彼らはもうFRBを信用しない。『私は誰のコントロールも行き届かないデジタル通貨が欲しい』ってね。管理者よりもそっちの方を信頼している」

またソーキンス氏、Too big to fail(リーマン・ショック・コンフィデンシャル)」を買いた時(2010年)は、Too big to fail(大きすぎて潰せない)という言葉は銀行を指していたが、今では「都市」「自治体」「州」「国」もその対象になっていると述べた。