3月6日の仮想通貨ビットコイン(BTC)は9000ドルを超えた水準で持ちこたえている。ひとまず心理的な節目を守っているが、仮想通貨アナリストからは「最悪期は脱していない」という警戒の声も聞かれる。

(出典:Coin360 日本時間3月6日18時25分時点)

ビットコインの新規の供給量が半減する半減期まであと2カ月あまり。需給の引き締まりから価格への上昇圧力が期待されている半減期だが、すでに効果が織り込まれているのかどうか議論は続いている。

マイニングにおける計算力を示すハッシュパワーは連日過去最高を塗り替えている。ビットコイン相場は足元は冴えない展開が続くが、ファンダメンタルズは良好だ。

気がかりなのは、インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)が、仮想通貨禁止命令の撤回判断を下した最高裁判所に対して再審を請求する計画であると報じられたことだ。RBIによる仮想通貨禁止令が撤回されたことについては、仮想通貨業界の中では長期的には好材料だと評価されていた。

「最悪期は脱していない」

仮想通貨のテクニカル分析で定評のあるアレッシオ・ラスターニ氏は、ビットコイン相場について慎重姿勢を崩していない。

ラスターニ氏は、ビットコインが8400ドル付近まで急落した先月28日、2月26日の水曜日につけた安値、トレンドラインと144単純移動平均線(SMA)という3つのテクニカル的なレベルが今後のカギを握るだろうと予想。8300ドル付近で「トリプルサポートになっている」と指摘し、もしここが崩れてビットコインが取引を終えるようなことがあれば「俺にとってもうアウトだ」と述べていた。

3月5日ラスターニ氏は、「トリプルサポートから反発したのは良い」と評価しつつも、今後はレジスタンスを突破しなければならないと主張。現在、ビットコインと米国株式相場の相関関係が高いため、もし株価がまた急落すればビットコインも急落することになるだろうと述べた。

ちなみにラスターニ氏は、今後も株価が強気であり続けるかについては懐疑的にみている。

(出典:Alessio Rastani 「FRBによる緊急利下げとS&P500」)

同氏は、過去に米連邦準備理事会(FRB)が緊急で利下げをした際、翌月には上昇する傾向があるもののの半年後と1年後に大幅下落する傾向があると指摘。翌月には平均で2.85%上昇するも半年後には平均で1.47%マイナス、1年後には平均で8.87%マイナスになっている。

ラスターニ氏は、株式市場が急反発したからといって「群衆心理にのって興奮するべきではない」と警告した。

FRBは3月3日にに緊急利下げを行った。