ビットコインは、ジョー・バイデン米大統領の6兆ドルの新予算案が発表されれば、米ドルを犠牲にして、ついに4万ドルを回復することになるかもしれない。

5月27日付のニューヨーク・タイムズによると、バイデン大統領は28日にも、大規模インフラ、教育、医療プロジェクトへの投資を促進するために、2022年会計年度(21年10月〜22年9月)の予算教書を発表し、議会に提出するという。6兆ドル規模となり、これは第二次世界大戦以来最大の大規模な財政政策だ。また、2031年には総支出額を8.2兆ドルに引き上げる。

バイデン氏はこれまでにも、巨額の支出を賄うために、米国の大企業や個人に対する大幅な増税を提案している。しかし、政府が財政赤字を縮小するには、少なくとも2030年までかかるとニューヨーク・タイムズは報じている。つまり、バイデン氏の大胆な提案のために借金をすると、米国は途方もない債務負担に直面することになる。

The U.S. federal deficit surged from $4.17 trillion in January 2020 to $7.92 trillion in May 2020. Source: FRED

最近の歴史通り、このシナリオは、ビットコインにとって理想的な強気シナリオとなりそうだ。ビットコインはこれまでにも、米国政府が新型コロナウイルスのパンデミックに対抗するために前例のないレベルまで支出を増やしたことで、2020年3月の3,858ドルの安値から1582%上昇した。

一方で、米ドル指数(DXY)は、世界的な市場の暴落の中で2020年3月に天井を迎えた後、最大13.38%の暴落となった。

DXY downtrend remains despite bouncing in 2021. Source: TradingView.

一方、ビットコインのロビイストとして有名なアンソニー・ポンプリアーノ氏(通称ポンプ)は、ドル価格がさらに減少すると予測する。

「政府は、我が国をさらに借金漬けにすると同時に、通貨の価値を破壊することを提案している。歴史家は、市民が喝采を贈る中、政府が世界の基軸通貨の破壊を加速させたと書くだろう」

また、他のアナリストも、米国の債務曲線の急上昇に対する救済策として、供給量が固定されているビットコインを提案している。

ビットコインは一時40000ドルを取り戻す

ニューヨーク・タイムズの報道は、米国の早朝の取引セッションに影響を与え、ニューヨーク市場の開始時にDXYは0.01%の小幅な下落となり、ビットコインは一時的に40,000ドルを取り戻した。

Bitcoin crosses above $40,00 in the early morning New York trading session. Source: TradingView

足元では4万756ドル付近に位置する200日単純移動平均線をテストしたものの40000ドルを割り込み、38000ドル付近で推移している。

短期的な強気バイアスを確認するためには、20日指数移動平均線(上図の緑線、43655ドル付近)を上抜けることが必要だ。
 

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン