米ダウ工業株30種平均が大幅続落をする中、仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)は急騰。心理的な節目となる100万円を再び回復した。一部のトレーダーの間で指摘されていたビットコインと米株の相関関係も崩れ始めている。

(出典:Coin360 日本時間5月14日7時30分時点)

ビットコインは執筆までの24時間で6%近く急騰した。また時価総額2位のイーサ(ETH)も心理的な節目となる200ドルを回復した。

一方、ダウ平均は前日比516ドル安の2万3247ドルと大幅に続落。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演で「経済見通しは非常に不確実で、重大な下振れリスクにさらされている」などと述べたことが重しになった。

S&P500指数も前日比1.75%のマイナスで取引を終えた。

新型コロナウイルス懸念勃発以降、ビットコインとS&P500の相関は上昇して4月には過去最高になったと報じられた。ビットコインが安全資産ではなく株価のようなリスクオン資産の動きを見せているとして一部のトレーダーは警戒していたが、最近になってようやく双方の価格に乖離(デカップリング)が見られるようになった。

クオンタムエコノミックス創業者のマティ・グリーンスパン氏は、「過去のパフォーマンスは必ずしも未来を示すものではない」としつつもデカップリングの兆候は「勇気付けられる短期のデータだ」と指摘した。

(出典:Mati Greenspan「ビットコイン価格(オレンジ)とS&P500(青)」)