米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー委員長が現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)をすべて拒否する可能性があると、ブルームバーグのETFアナリストが警告している。

10月31日のツイートで、ETFコメンテーターのデイブ・ナディグ氏は、ブルームバーグのシニアETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏とエリック・バルチュナス氏に向けて、ゲンスラー委員長が現物型ビットコインETFの数多くの申請を、一度に全て否定する可能性があるのではないかと問題提起した。

このコメントに対し、セイファート氏は、そのようなシナリオが数週間、場合によっては数ヶ月にわたって頭の片隅に残っていると認め、「彼にとっては間違いなく素晴らしいことだろう」と付け加えた。バルチュナス氏もコメントを寄せ、「驚くべきサディスティックな行動」と形容し、それはおそらく「訴訟の波を引き起こすだろう」と述べた。

しかし、両アナリストはそのシナリオはありそうもないと主張した一方で、バルチュナス氏は最後の瞬間に否定される可能性は完全には排除できないと認め、それが彼とセイファート氏が承認の可能性を90%以上には上げない理由だと語った。

ゲンスラー委員長自身の現物型ビットコインETFに対する考えは最近、スポットライトを浴びてきた。2019年の動画では、ゲンスラー氏が当時のSECの現物型ETFに対する立場を「一貫性がない」と述べている

また、SECは2017年から現物型ビットコインETFの申請を否定する長い歴史を持っており、この伝統は2021年にSECの長に任命されたゲンスラー氏に引き継がれている。以来、ゲンスラー氏は投資家保護に関する懸念を理由に最近の現物型ビットコインETFの申請を遅らせ、後退させてきた。

2022年6月、ゲンスラー氏が率いるSECは、既存のビットコイン信託を現物型ETFに変換する申請を拒否したことで、仮想通貨企業グレースケールから訴えられた。裁判所はSECの申請拒否を「恣意的かつ気まぐれなもの」と裁定し、SECはこの決定を不服申し立てしなかった。

現在までに、SECはビットコインとイーサリアム(ETH)の先物製品のETF申請のみを承認しており、現物型は市場操作から投資家を保護するための十分な安全対策がないと主張している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン