ビットコイン(BTC)は9万ドル台を維持しているものの、データは依然として強いリスクオフ・シグナルを点灯している。クリプトクオントの複合指標によるリスクオフ・オシレーターは「高リスク」ゾーン付近に留まっている。これは歴史的に調整局面に先行し、持続的な強気トレンドの可能性を弱める水準とされる。

脆弱な状態にあるビットコイン

クリプトクオントのリスクオフ・モデルは、下方ボラティリティ、上方ボラティリティ、取引所流入量、資金調達率、先物建玉、時価総額の動きという6指標を組み合わせ、市場の脆弱性を評価する。オシレーターが60付近の高リスクゾーンに近づく中、調整リスクは依然高い状態にある。

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ビットコインのリスクオフ・シグナル. Source: CryptoQuant

ビットコイン研究者アクセル・アドラー・ジュニア氏も、利益/損失スコアがマイナス3に低下した点を指摘した。これは含み損のUTXOが極端に集中している状況を示し、歴史的には弱気局面や長期的な冷却フェーズと一致してきた。今回の下落幅はマイナス32%と、通常のサイクル調整(マイナス20〜25%)を上回るが、 投げ売り水準(マイナス50〜70%)よりは上に位置し、ビットコインは「中間ゾーン」にある脆弱な状態とされる。

アドラー氏は、マクロ環境とオンチェーンの収益性が改善しない限り、ビットコインが9万ドル付近で安定しても下落リスクは高いままと述べた。

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BTC価格の最高値から最安値までの下落率 Source: Axel Adler Jr.

一方、グラスノードのオンチェーンデータには小さな明るい兆しも見られる。同社は、今回の下落で2022年のFTX崩壊以来最大の実現損失が発生したと指摘した。これらの損失の大半は短期保有者(STH)によるものだが、長期保有者(LTH)の損失は相対的に限定的で、過去のサイクルでは投げ売りを緩和する役割を果たしたことがある。

10万ドルの攻防は「勢い vs トレンド」の戦い

あるクリプトクオントのアナリストは、ビットコインの10万ドル接近を「心理的転換点」と表現した。上抜けに成功すれば勢いが再点火される可能性があり、12月10日の米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が支援材料になる可能性もある。しかし、大きな節目は往々にしてボラティリティと失敗したブレイクアウトを伴う。

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BBTCの成長率差(時価総額と実現時価総額) Source: CryptoQuant

時価総額と実現時価総額の成長率差はマイナス0.00095で、時価総額が実現時価総額より速いペースで縮小している。BTCが現在9万1000ドル付近にある中、アナリストはトレンド拡大よりも「構造的な弱さ」が優勢との見方を示した。

ビットコイン先物トレーダーのバイザンティン・ジェネラル氏も価格の不安定さを指摘し、次のように述べた

「BTCは重要なレジスタンスで苦戦している。ここを突破すれば10万ドルを一気に超える可能性があるが、拒否されるなら9万2000〜8万2000ドルのレンジにしばらく閉じ込められるだろう。」

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