現在の仮想通貨市場はボラティリティが高く、極めてリスク許容度が高いトレーダーのための市場となっている。

仮想通貨データを提供するSkewによると、イーサは26日時点で、ETH/USD30日実現ボラティリティは2017年のピークレベルに達している。

Bitcoin and Ether 30-day realized volatility reaches 2021 high. Source: Bybt.com, Skew

一方でBybt.comによると、ビットコインの30日実現ボラティリティも年初来の高値を示しており、今後も乱高下する可能性が高いことを示している。ビットコインとイーサの上位2通貨は上昇か下落かはわからないものの、どちらかに大きく動く可能性があるということだ。

下落相場での押し目買い

こうしたボラティリティ指標は大きく下落した後に急回復する際にピークに達する。ビットコインは4月に65000ドルまで上昇した際と比べると、50%近く急落した。この急落はイーロン・マスク氏のツイートや中国の仮想通貨規制に反応したものだ。

ビットコインとイーサの相関係数は0.88と、正の相関関係が高くなっている。ビットコインの下落とともにイーサも下落しており、4月中旬の過去最高値である4380ドルから最大で60%下落した。

しかし、ビットコインとイーサの価格が底値からそれぞれ最大36.12%と68.52%回復したことを見ると、強気派はこの価格下落にチャンスを見出したようだ。アナリストの中には、主にインフレ懸念などのマクロ経済的な支援要因から、上昇トレンドがさらに拡大すると予想する人もいる。

アーク・インベストメント・マネジメントを率いるキャシー・ウッド氏は、先週の暴落の後、ビットコインの価格目標を50万ドルとし、今回の下落を「絶好の買い時」と主張した。

とはいえ、1年にわたる価格上昇の後では、長期投資家による利益確定のリスクが高いため、弱気の調整局面での購入について注意を促す人もいる。ビオテックバレー・インサイト・コンサルティング・グループのアナリストは、米国の消費者物価指数が4.2%に上昇した後もビットコインが大きく下落したことを指摘し、仮想通貨市場は現在、「不安の段階」にあると述べている。

「ビットコインはここから長い道のりで下落するだろう。定期的にデッドキャットバウンスをしながら、ゆっくりと希望の坂道を下っていく」

同社は、ビットコインは15,000~16,000ドルまで下落すると予想する。

さらなる反発を待つ

マーケットアナリストであるコロシュAK氏は、どちらかというと中間的なアプローチだ。彼は、市場のバイアスを決める前に、短期的なレジスタンスレベルを超えて明確に反発することを待つようトレーダーに助言し、以下のようにツイートした。

「60%以上の市場暴落の後、私が強気市場にバイアスを戻すには、小さな反発以上のものが必要だろう。45,000ドルのBTCと3,400ドルのETHを獲得するまでは慎重な姿勢のままだ。ここは辛抱が必要だ。儲けるために正確な底値を捕まえたり、正確な天井で売ったりする必要はない」

最近の反発は、ビットコイン先物契約が110億ドルから118.8億ドルに増加したことと一致しており、デリバティブ市場におけるレバレッジ・ポジションが着実に増加していることを示している。一方で、5月19日の価格暴落以降、120億ドル以上のロングポジションが清算されている。