仮想通貨(暗号資産)取引所ジェミニの共同創設者タイラー・ウィンクルボス氏とキャメロン・ウィンクルボス氏は、ビットコイン(BTC)は50万ドルに到達することだと考えている。

ウィンクルボス氏は27日、ビットコインをドル、金、原油と比較するレポートを発表。この中でビットコインは世界市場をリードする安全資産として、金を追い抜く可能性を指摘した。

金の時価総額は9兆ドルとされている一方で、ビットコインは約2000億ドルにとどまっていることから、45倍の上昇余地があるとしている。現在が11000ドル〜12000ドルであるため、これから45倍した50万ドル付近まで増加するとみているようだ。

ビットコインは金を追い越せるのか

過去何十年にもわたり、投資家は金や原油、米ドルという3つの指標に頼ってきた。しかしウィンクルボス氏はこの3つにはいずれも弱点があるという。

The advantages of Bitcoin over gold

(出典:ウィンクルボス・キャピタル「ビットコインと金の比較」)

金や原油は輸送や保管が難しいという点はビットコインとの大きな違いだ。しかしそれ以上にウィンクルボス氏は両者ともに固定供給がないことが重要と指摘。そのため、可能性は低いとしながらも、もし両資産が大量供給できるほど発見された場合に、価値に悪影響を及ぼす可能性があるという。

ウィンクルボス氏は次のように説明する。

「現在、金は価値の保存として信頼できる資産であり、クラシックなインフレヘッジでもある。供給。金の供給は実際には未知数だ。地球上では金は依然として希少または「貴重」なものだが、銀河系を考慮すると同じことは言えないだろう」

米ドルに関する最大の問題は、インフレと価値の安定性だという。過去4ヶ月のパフォーマンスにみられるように、インフレと経済の不確実性への懸念がドルを長期にわたって不安定化させる可能性がある。

インフレが長期化した場合、銀行に蓄えられる資本よりも、金やビットコインが上回る可能性があると、ウィンクルボス氏は指摘する。

「インフレはやってくる。銀行に保管されているお金は使い尽くされるだろう。不動産や株式市場に投資されたお金はそのペースを維持する。金やビットコインに蓄えられたお金は、こうした災難を乗り越える。そしてビットコインに投資されたお金は金を抜いて最速で駆け抜けるだろう」

ビットコインは2100万と供給量が固定されているため、インフレにはならない。金や原油と違って常に不足し、輸送や保管も簡単だ。ビットコインのこうした特徴から、ウィンクルボス氏はビットコインが「インフレに対する唯一の長期的な保護手段」であると考えているという。

過小評価されている

ここ数ヶ月、特に3月のパンデミック後にデジタル製品やデジタル通貨の需要が急増している。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が「物価上昇率が2%を一時的に超えることを目指す」との方針を決定したことで、インフレの懸念は高まる可能性がある。実際にタイラー・ウィンクルボス氏はFRBはビットコイン価格の「最大のブースター」であると考えている。

最近では米国に拠点を置くナスダック上場企業のマイクロストラテジー社が、2億5000万ドル相当のビットコインを購入した。

こうしたビットコインが普及し始めていることからも50万ドルという強気の上昇を後押しするとみられている。

ウィンクルボス氏は次のように述べている。

「ビットコインを評価するために金の枠組みを使うことが正しく、ビットコインがこの道を進み続けるとしたら、ビットコインの強気のシナリオは、ビットコインが45の倍数で過小評価されているということになる。別の言い方をすれば、ビットコインの価格は現在の45倍で評価される可能性があり、これはビットコイン1個あたり50万ドルの価格となることになる」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン