ビットコイン価格 (BTC) が日本時間午後10時、史上初めて2万ドルにのせた。ビットコインは約2週間前に史上最高値を更新したばかりだ。

BTC/USD 週足チャート Source: Tradingview

ビットコインが高値を更新するのは2017年のバブル以来だが、今回の相場ではより高値を目指す要素が指摘されている。機関投資家の本格的な参入や、ビットコインへの一般的な認知の高まりだ。

機関投資家の参入がビットコインの上げ相場を演出

今回の相場は何が違うのだろうか。

2017年12月ピークを迎えた前回の仮想通貨バブル期において主役だったのは個人投資家たちだ。当時はCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン先物も取引がはじまったばかりで、総じて機関投資家が仮想通貨投資に参入できる投資商品に限りがあった。個人投資家が主役だったバブルがあっけなくはじけたのは周知の通りだ。

今回目立つのは機関投資家の動きだ。CMEのビットコイン先物における建玉も最近では約1300億円を超え、ビットコイン先物取引で有名な仮想通貨取引所OKEXにおける建玉に迫る勢いだ。また、機関投資家はビットコインを「デジタルゴールド」としても認知しており、長期保有を前提とするケースも増えている。

面白いのが、機関投資家が購入可能な米仮想通貨ファンドであるグレイスケールのビットコイントラストの価格プレミアムの上昇だ。機関投資家がスポット価格より高い価格を支払っていることを示しており、関心の高さを伺わせる。 

米上場企業も「デジタルゴールド」を大量購入

さらに米上場企業のマイクロストラテジー社は今年約466億円分のビットコインを購入。複数の企業がインフレに対するヘッジ機能があるとされる「デジタルゴールド」への資産配置に動いている。

マイケル・ストラテジー社のマイケル・セイラーCEOは次のように述べている。

ビットコインは世界で最も優れた財務準備資産であり、勃興する力強いマネタリー・ネットワークだ。個人・企業・政府が抱える「価値の保存」という課題に応えるものだ。普及するにつれ世の中が良い方向に変わっていくだろう。

こうした熱い視線を受けた今年のビットコイン投資のリターンは、ゴールドや高値更新した米株価指数S&P500のそれを大幅に上回る。

ビットコイン vs. 金 vs. S&P500 の2020年におけるパフォーマンス比較 Source: Ecoinometrics

また、12月3日にはS&P500が独自の仮想通貨指数をリリースする予定であることを発表しており、引き続き注目をあびそうだ。

ビットコインのファンダメンタルはこれまでになく強い

ブロックチェーンを使ったネットワークであるビットコインのファンダメンタル面も強く推移している。現状、毎秒50万ドル、一日にして約4800億円相当の資金が同ネットワーク上で移動している。

ビットコインのハッシュレート Source: Blockchain.com

また、ビットコインのハッシュレートやマイニング難易度も今年最高値を更新しており、セキュリティ面も2017年と比べてより強固になっている。