米連邦準備理事会(FRB)は、27日、目標インフレ率について長期的な平均で2%を目指すという新たな方針を発表した。オンライン形式で行われたジャクソンホール会議でFRBのパウエル議長はインフレ目標について「一定期間の平均で2%」と切り替えることを宣言。金融緩和政策を長期的に続ける姿勢を明確にした。
FRBのこれまでの目標は2%の物価上昇率。物価の安定は雇用の最大化とともにFRBの使命となっている。
パウエル議長は、「インフレ率が景気後退の時に2%に到達せず景気が回復した時も2%を超えない」ケースでは、「長期的にインフレが平均で2%を下回る」と指摘。次のように続けた。
「消費世帯とビジネスがこの結果を期待することになれば、インフレ期待は我々のインフレ目標を下回る傾向が生まれ実際のインフレを下げることになる。この事態を避けて不都合なダイナミックを回避するため、我々の新たな声明は、長期で平均で2%のインフレを達成することを目指すことにする」
パウエル議長は、平均を定義づける特定の数学の公式に縛られる事態は避けて柔軟に平均のインフレターゲットを決める方針も付け加えた。
仮想通貨ビットコインの反応
(出典:Coin360 「ビットコイン/米ドル(1日)」UTC時間)
一時的なインフレ率2%越えを許すFRBの決定は、仮想通貨ビットコイン(BTC)に追い風のように考えられる。長期的に米ドルの価値が下がり避難通貨としてのビットコインの価値が相対的に高まると考えられるからだ。
昨夜22時ごろのパウエル議長の発言後、ビットコインは一時1万1600ドル近くまで上昇。ただその後は下落し、現在は1万1300ドル付近で推移している。
翻訳・編集 コインテレグラフ ジャパン