ビットコイン価格は5月23日、過去12日間で4回目となる27,500ドル突破に失敗した。その後の24時間で26,100ドルまで下落したことは、絶対値としては小さな動きに思えるかもしれないが、これは68日間で最低の日次終値を示すものだ。
5月26日に迫るビットコイン(BTC)月次オプションの満期が切れると、22億6000万ドルの未決済建玉の運命が、最近の弱気派のトレンドが続くか、25,000ドル以下に調整することになるかを決定する可能性がある
ビットコイン価格と米国の債務上限問題
アナリストは、米国政府が6月1日の期限前に債務上限を引き上げることができたとしても、新たな米国債の供給が市場から流動性を吸収するため、株式や仮想通貨などのリスク資産が打撃を受ける可能性があると主張している。
1年物債の利回りが5.15%に達し、経済危機の可能性が高まる中で、債券へのインセンティブが存在している。米国が債務問題をどのように対処するにせよ、不確実性の時期には、投資家は最もリスクの少ない資産クラスに避難する傾向にある。
たとえば、ロイターによると、米国のマネーマーケットファンドの資産が今週、新記録の5.8兆ドルに達した。これは、投資家が短期の債券に目を向けていることを示している。債券投資信託は今年、これまでに6150億ドルの純資金流入を見ている。
ビットコインが5月6日以降に累積して11%の損失を記録したことは、弱気派が5月の22億6000万ドルの月次オプションの満期を利用して成功するために必要なものかもしれない。
BTCオプションの動向
5月26日のオプションの満期切れのための未決済建玉は22億6000万ドルであるが、実際の数字は強気派がビットコインの価格を29,000ドル以上に見込んでいたため、これより低くなるだろう。これらのトレーダーは、ビットコインが5月6日から5月12日の間に10.9%下落したことに驚かされた。

0.38のプット-コール比率は、16億4000万ドルのコール(買い)の未決済建玉と、6億3000万ドルのプット(売り)オプションとの間の不均衡を反映している。
しかし、もしビットコイン価格が5月26日午前8時(協定世界時)時点で26,500ドル付近にとどまる場合、これらのコールオプションの価値はわずか6700万ドルとなる。この差は、BTCが満期時にそのレベル以上で取引される場合、ビットコインを27,000ドルまたは28,000ドルで購入する権利が無意味になるからだ。
弱気派は25,000ドル以下を目指す
以下に現在の値動きに基づく最も可能性の高い4つのシナリオを示す。コール(強気)とプット(弱気)のオプション契約数は、満期価格によって異なる。各サイドが優位になる不均衡が、理論的な利益を構成する:
- 24,000ドルから25,000ドルの間:900コール対12,100プット。最終結果は、プット(売り)オプションに2億7,000万ドルの利益がある。
- 25,000ドルから26,000ドルの間:1,800コール対8,900プット。最終結果は、プット(売り)オプションに1億8,000万ドルの利益がある。
- 26,000ドルから27,000ドルの間:2,600コール対6,400プット。弱気派の優位性が1億ドルに減少する。
- 27,000ドルから28,000ドルの間:4,800コール対5,200プット。最終結果は、コールとプットのオプションの間でバランスが取れている。
この粗い見積もりは、強気のベットに使用されるコールオプションと、中立から弱気の取引に限定されるプットオプションを考慮に入れている。しかしこの過度な単純化は、より複雑な投資戦略を無視している。
弱気派はBTC価格をさらに押し下げる可能性
ビットコインの強気派は、満期時にビットコイン価格を27,000ドル以上に押し上げることができれば満足する可能性が高い。一方、弱気派は26,300ドルからわずか2%の価格下落で1億8,000万ドルの利益を確保することになる。
米国の債務上限問題によって引き起こされるリスク資産に対する弱気の勢いを考慮すると、ビットコインの弱気派は5月の22億6000万ドルのBTC月次オプションの満期切れに向けてより有利な位置にある。
そして満期時の価格が26,000ドル以下であれば、弱気派はビットコインの価格をさらに25,000ドル以下まで押し下げるようとするかもしれない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自分でリサーチを行って決定してください。