ビットコイン（BTC）投資家は、米連邦準備制度理事会（FRB）が今後よりハト派（金融緩和寄り）に傾く可能性をまだ織り込んでいないかもしれない――エコノミストのアレックス・クルーガー氏はこう指摘している。鍵となるのは、トランプ米大統領がFRB議長ジェローム・パウエル氏の後任に誰を指名するかという点だ。
9月の利下げが注目イベントに
クルーガー氏は18日、Xへの投稿で「このサイクルはまだ終わっていないと確信している。FRBの変化によって、より大幅な金融緩和がもたらされると見ている」と述べた。
同氏によれば、その転換点は「トランプ氏がパウエル氏の後任を指名した段階で市場に織り込まれ始める」としており、FRBの金融政策の方向性がBTC価格に影響を及ぼすと見ている。
パウエル氏の任期は2026年5月までだが、トランプ政権はすでに後任候補をリストアップしており、報道によると、11人の候補者が検討されている。候補者には、ジェフリーズのチーフストラテジストであるデビッド・ゼルボス氏や、ブラックロックのリック・リーダー氏、元FRB理事のラリー・リンゼイ氏などが含まれているという。
パウエル氏とトランプ氏の確執
トランプ氏とパウエル氏の関係は就任当初から緊張しており、トランプ氏はFRBの利下げに慎重な姿勢を公然と批判してきた。2025年4月17日には「パウエル氏の解任は一刻も早く行われるべきだ」と発言。共和党のリック・スコット上院議員もこれに同調し、「FRBには新たなリーダーが必要だ」と発言していた。
FRBの金融政策は、金利や市場全体のセンチメントに影響を与え、ビットコインのようなリスク資産の動向に直結する。9月17日の次回FOMC会合では、83.9％の市場参加者が利下げを予想している。
コインベース・インスティテューショナルのグローバルリサーチ責任者であるデービッド・ユアン氏も「現在、多くの個人投資家の資金がマネーマーケットファンドに滞留している。FRBの利下げがそれらを市場に戻す起爆剤となり得る」と述べている。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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