イスラエルによるイランを空爆したことを受け、ビットコイン(BTC)の価格が心理的節目である10万ドルに迫るまで急落し、新たな最高値更新を期待していた市場に冷や水を浴びせた。
6月13日22時50分(UTC)にイランの首都テヘランで爆発が報告された後、イスラエルが空爆を実施したことを認めた。コインマーケットキャップによれば、ビットコインはその直後に急落し、90分以内に10万6042ドルから10万3053ドルまで2.8%下落。その後やや持ち直し、記事執筆時点では10万4370ドル付近で推移している。
強気派を不意打ち、4億ドル超のロングが清算
この下落は、多くの強気派トレーダーを不意打ちにした。コイングラスのデータによると、過去24時間で約4億2784万ドル相当のロングポジションが清算された。
わずか数日前の6月10日には、ビットコインは11万265ドルまで上昇し、5月22日の過去最高値である11万1940ドルに迫っていた。
金と原油は過去24時間でそれぞれ1.44%、11%上昇しているが、一部の仮想通貨アナリストは、これらの伝統的資産に対するビットコインのアンダーパフォームは長続きしない可能性があると指摘している。
ビットコイン起業家のアンソニー・ポンプリアーノ氏は、「現時点では金と原油が上昇し、ビットコインが下落しているが、歴史的に見ればこの傾向はすぐに逆転する可能性がある」と述べた。
同氏は、今回の下落は2024年10月にイランがイスラエルに数百発のロケットを発射した際と「まったく同じ」反応であり、そのときもビットコインは3%下落したと振り返る。
「だが、その48時間後にはビットコインが金と原油を上回るパフォーマンスを見せた」と語った。「今回も同じ展開になるか注目だ」とポンプリアーノ氏は付け加えた。
今後の展開は不透明
イスラエルのネタニヤフ首相は14日、「我が軍の空爆はイランの核計画を標的にしたものであり、この脅威を排除するまで作戦を続行する」と表明している。
これに対してイラン最高指導者のハメネイ師は、イスラエルに対し「厳しい報復が待っている」と警告。報道によれば、イランはすでに100機以上のドローンで報復攻撃を行ったとされる。
米国のルビオ国務長官は、「米国は今回の攻撃には一切関与していない」と明言した。
こうした緊張が高まる中で、一部のビットコイン支持者は今こそ買いのチャンスと主張している。
Jan3のサムソン・モウ氏は、Xへの投稿でゲームストップ社のCEOであるライアン・コーエン氏に向けてビットコインを買うべきだと呼びかけた。
「もし価格がさらに下がってもっと不安になるなら、もっと買うべきだ」とモウ氏は続けた。
なお、ゲームストップは5月28日に行った15億ドル規模の転換社債による資金調達の一部を用いて、4710BTC(当時5億1300万ドル相当)を購入している。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。