ビットコイン(BTC)ネットワーク上のオーディナルズのインスクリプション数が1000万件を突破した。プロジェクトの管理者が引退したわずか数日後のことだ。5月28日、ケイシー・ロダーマー氏はツイッターで、プロジェクトのリードメンテナーを辞任したことを発表し、「オーディナルズに十分な注意を払えていなかった」と述べた。ロダーマー氏は、その役割を、仮名のコーダーであるラフジャフ氏に引き継いだ。

しかし、オーディナルズのインスクリプション数が急増したのは、3月初旬にBRC-20トークン規格が登場したことだ。この新しいトークン規格は、仮名の開発者「Domo」氏によってもたらされ、ユーザーがビットコイン上で初めて完全に新しいトークンを発行できるようになった。

Ordinal inscriptions in 2023. Source: Dune Analytics

The total number and value of all BRC-20 tokens. Source: BRC-20.io

オーディナルズの台頭は、論争を巻き起こしており、多くのビットコイン支持者が、ネットワーク上で資産を「記述」する方法を非効率的で無駄だと批判している。特に、ブロックスペースと取引手数料が問題となっている。そのため一部の開発者たちは、ビットコイン上で資産やNFTを発行するための他の方法も検討している

一方で、オーディナルズが新規ユーザーをビットコインコミュニティに参加させると評価する声もある。最近、熱心なビットコイン反対派であるピーター・シフ氏が、オーディナルズプロトコルを利用して、ビットコイン上で少数のNFTを発行した。これは、シフ氏が、ビットコインを批判する以外で初めてビットコインと関わった瞬間だった。

オーディナルズがビットコインの取引手数料を急上昇させる主要な要因となっていることは明らかだが、ネットワーク活動の激増は、マイナーにとって恩恵となっている。デューンアナリティクスのデータによると、オーディナルズ関連の手数料で、マイナーはこれまでに4400万ドル以上を受け取っている。