仮想通貨マイナーが保有するビットコイン(BTC)の量が過去2年で最高水準に達している。これが今後ビットコイン価格の急落を引き起こす可能性がある。
過去に目を向けると、ビットコインマイナーのOTC(店頭取引)残高が高水準に達した後、ビットコイン価格が数か月で最大63%下落した例が存在する。
「歴史的に、ビットコインのOTCデスク残高の増加はビットコイン価格の下落と関連している」と、8月クリプトクアントが21日のレポートでのべた。
ビットコインのOTC残高
ビットコインのOTC残高は過去3か月で70%増加し、2022年6月以来の水準に達した。現在の残高は36万8000BTC(約223億6千万ドル)だ。「OTCデスク残高の大幅な増加は、マイナーによる大規模な売却を示唆している」とクリプトクアントは付け加えた。
Bitcoin OTC balances from miners reaching highs has typically been followed by Bitcoin’s price tumbling. Source: CryptoQuant
2018年5月、ビットコインのOTC残高が40万BTCを超えた際、ビットコインの価格は8475ドルだったが、2018年12月には63%下落し3183ドルとなった。同様に、2021年11月にはビットコインの価格が約6万4000ドルで、マイナーのOTC残高が過去最高の50万BTCに達したが、その後2022年1月には45%下落し3万5058ドルとなった。
クリプトクアントは、マイナーがOTC取引を選ぶ理由として、「より良い執行を求め、仮想通貨取引所での売却による価格への影響を避けたいから」と説明している。OTC市場は流動性が高いため、価格への影響が少ない。
しかし、最近の仮想通貨取引所でのビットコイン供給の減少と、過去6週間で9万4700BTCを蓄積したビットコインのクジラが、売り圧力を相殺しビットコイン価格を支える可能性もある。
ビットコイン半減期後のマイナーの苦境
ビットコインマイナーは、4月のビットコイン半減期以降の運営コストの上昇と採掘報酬の減少に直面している。
現在、平均的なビットコインマイナーは損失を出している。マクロマイクロとコインマーケットキャップのデータによると、ビットコイン1BTCを採掘する平均コストは7万2224ドルであり、一方ビットコインの現在の価格は6万797ドルだ。
仮想通貨ウォッチャーのコリン・ハーパー氏は8月22日のXポストで、「第2四半期の収益は第1四半期よりも少なかったが、ハッシュレートを拡大することで収益減少を補ったマイナーもいた」と説明した。「すべての上場マイナーが最新の設備にアップグレードするために努力している」とハーパー氏は付け加えた。
Major crypto mining firms saw a decline in revenue in Q2 2024 compared to Q1. Source: Colin Harper
8月18日、ヴァンエックは、ビットコインマイナーが2027年までに人工知能(AI)や高性能コンピューティング(HPC)セクターにエネルギーを提供することで、年間約139億ドルの追加収益を生み出す可能性があると指摘した。「AI企業はエネルギーを必要とし、ビットコインマイナーはそれを持っている」とヴァンエックは述べている。
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