モバイル決済サービス「キャッシュアップ(Cash App)」は、アプリを通じてビットコイン(BTC)の送金にライトニングネットワークを利用できるようになったことを明らかにした。この新機能により、同社のユーザーは、任意のライトニングまたはオンチェーンBTCアドレスにBTCを送ることができる。

数週間前、同社はアプリ内の通知を通じて、ライトニング・ネットワークを統合したことを発表していた。これにより、ユーザーはこの機能を利用し、ビットコイン・ライトニング・ネットワークが日々のBTC取引にもたらす利点を活用することができるようになった。

キャッシュアップでライトニング・ネットワークを利用するには、ユーザーはライトニングQRをカメラでスキャンし、支払い内容を確認した後、「Pay」をタップする。

ライトニングネットワークは、ビットコインにスケーラビリティをもたらすレイヤー2ソリューションだ。ライトニングは、ユーザーが取引するネットワークを別に作り、ビットコインのブロックチェーンとの関わりを最小限にすることで、ビットコインのブロックチェーンへの負荷を軽減し、手数料の軽減と取引の高速化を実現する。

多くのユーザーがキャッシュアップを通じてライトニングネットワーク機能を利用できるようになったことを喜ぶ一方で、対象外の地域もある。同社が数週間前に言及したように、この機能はニューヨークを除いた米国内の全州で利用できるようになる。「現時点ではニューヨークの住民はライトニングの対象外」とキャッシュアップはツイートしている。

一方でツイッターユーザーのGrublés氏によると、ニューヨークのユーザーは「自身のライトニングノードを運営していれば」利用する資格があるという。ビットコイン・ライトニング・ネットワークの取引は分散型であるため、キャッシュアップ以外でも場所に関係なく誰でも利用することができるからだ。同じくツイッターユーザーのProof of Brain氏はGrublés氏を支持するツイートをした。

キャッシュアップは、ジャック・ドーシー氏が設立したブロック社が開発・運営するサービス。2021年に入り、ドーシーはツイッターのCEOを退任。退任は創業者の影響から会社を自由にするためだと言及したが、この動きはドーシー氏がビットコインにより多くの時間を費やすことを意味すると推測する人も多い。