ニューヨーク原油先物が4年ぶりの低水準になったことを受けて、世界景気に懸念が広がる中、ビットコインはなんとか踏みとどまっている。9日未明には8200ドルを推移し、一時8000ドルギリギリまで下落。しかし8000ドルを割り込むことはなく、足元では反発し、8100ドル台を維持している。
(出典:Coin360 3月9日 午前10時45分)
今回の原油先物や株価が下落する一方で、金は上昇している。しかし、「デジタルゴールド」であるビットコインへは逃避先になっていないようだ。
こうした内容について、ブロックチェーン分析企業メサーリ共同創業者のライアン・セルキス氏は以前、ビットコインは「法定通貨に対するヘッジ手段」であると解説。「経済の低迷ではなく、法定通貨システムの失敗に対する保護手段だ」とし、「新型コロナウイルス対策としての中央銀行の景気刺激策への反応」という軸でビットコインの真価が問われるだろうと予想した。
2008年の夏以降、株式市場が急落するに従って金も急落。その後、数年かけて反発した。
今回も原油や株式が総崩れとなる中で、中銀の動き次第で、ビットコインへ資金が流入するシナリオもあり得るだろう。
しかし、現在の価格を買いの時期だとみる声もある。仮想通貨アナリストのDonAlt氏はツイッターで、現在の相場チャートから、「強気を示す証拠はないが、ビットコインが現在のレベルを1週間調整する場合、ロングを探すのに良い場所となるだろう」とコメントした。
本日の難易度調整、一転プラス調整に
本日午後8時ごろに予定されている採掘難易度調整は6〜7%ほどが想定されている。
(出典:Bitcoin Difficulty Estimator 日本時間3月9日 午前10時45分)
昨年12月以来のマイナスとなった、前回の調整から一転、5%を超える大幅なプラス調整となりそうだ。採掘難易度の上昇をビットコイン強気相場のきっかけとみる専門家もいる。
ビットコインの採掘難易度は、10分に1回のブロック生成を維持するため2週間ごとに変更される。一般的に、ネットワークに参加するマイニングのパワーが小さければ下がり、ネットワークへの参加が増えれば上昇する。