ここに表示された見解および意見は、著者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映するものではありません。すべての投資とトレーディングにはリスクが伴うため、意思決定の際に独自の調査を実施する必要があります

ビットコイン/ドル(coinbase価格)は日足で50日移動平均線が200日移動平均線を上抜きゴールデンクロスが起こったことで上昇基調となっているが、一旦上値の抑えられやすいゾーンに突入している可能性が高い。

単純なテクニカルから見える上限

まず単純なテクニカルの観点から見ると現在はエリオット波動5波動目に突入しており、反落警戒を示唆する上昇チャネルラインを形成している。(図1参照)

また、日足では反落警戒を示唆するRSI(相対力指数)のダイバージェンスも出現している。

(図1 BTC/USD日足 エリオット5波動目+上昇チャネル+RSIダイバージェンスで反落警戒)

これに加えて過去の分析からも反落警戒ゾーンに突入している。

乖離率から見るビットコイン相場

分析に優れた大口トレーダーやファンドトレーダーなどはどのような市場でも乖離率に注目をすることが多い。

単純なもので言えば移動平均線(SMA)乖離率である。

基本的には相場は上下にある一定の乖離が生じると一旦、価格は調整をつけにくる。

今回はこの乖離率を活用して過去に意識された乖離率を割り出し、ビットコイン/ドルが頭打ちになりそうなゾーンを特定するとしよう。

移動平均線は任意で色々な期間に変更が可能であるが、その中でも最も意識されている期間の1つは100日と200日であるために、この2つの移動平均線を使用して過去に意識されていた乖離水準を見てみるとしよう。

過去にこの2つの移動平均線を超えて上昇トレンドが発生したのは2017年以前と2017年の仮想通貨バブル以外ない。

この時は仮想通貨バブルの流れで投資家心理が買いに集中しすぎたために参考事例としては少し使いずらいため、今回は仮想通貨バブル崩壊後に100日と200日移動平均線を下抜けて下落トレンドが発生した時を参考にするとしよう。

黄色が100日移動平均線でピンクが200日移動平均線。

まず、仮想通貨バブル崩壊後に100日移動平均線からどれだけ乖離した水準が意識をされていたかというと1回目は約50%、2回目は約40%乖離した水準が意識されて、反発しているのがわかる。(画像2参照)

(図2 過去に意識された100SMAからの乖離水準を特定)

次も同じように200日移動平均線を見てみると、1回目は約27%、2回目は約32%の水準が意識されている。(画像3参照)

(図3 過去に意識された200SMAからの乖離水準を特定)

もし、このような水準が同じように意識されるようであれば今回も100日平均線から約40%~50%、200日移動平均線から約27~32%乖離した水準が一旦の頭打ちになりやすいゾーンだということが言える。

移動平均線は日々変動していくので変動に合わせて計測しなおさなければならないが、200日移動平均線から約27~32%乖離した水準は$5605~5815(日本で約61万9000円~64万2000円)。(図4参照)

100日平均線から約46%乖離した水準$6063~6467(日本円で約70万~71万4000円)。(図4参照)
※日本円換算は為替変動により変わりますので予めご了承ください。

特にこのポイントは価格帯別出来高も伴っているために警戒する必要がある。

(図4 過去の100と200SMAからの乖離水準をそのまま現在に当てはめて意識されやすいゾーンを特定)

この2つを組み合わせると$5605~6467(日本円で約61万9000円~71万4000円)は上値が重くなりやすく、現在はその領域に入っているために注意が必要である。(図5参照)

特にBTCの上昇トレンド転換ムードに包まれて新規参入を考える方は、この価格帯で買ってしまうと高値掴みをしてしまう可能性があるために注意。

(図5 過去の100と200SMAからの乖離水準をそのまま現在に当てはめて意識されやすいゾーンを特定 2)

今後の注意点

実際にこの領域に入ってすぐに一度、少し強めに下に叩かれており、その後に上値が抑えられているのも200SMAからの乖離ゾーンの上限だということがわかる。

しかし、現在はロングショート比率もショートに偏りすぎの水準に来ており、BTCの売り手側のファンディングレート(資金調達率)も落ち着きつつあるが、高騰している状態なために、買戻しが断続的に入りやすく簡単には下落にしにくい状況である。

ロングショート比率がショートに偏りすぎの状態が解消されない限りは買戻しが入りやすく、なかなか下落しにくい状態ではあるが、ショートの偏りが解消し、BTCの売り手側のファンディングレート高騰の解消が起こると一旦調整をつけにくる可能性があるので、この動向には注視すべきだろう。

特にGW明けの5月10日~16日頃はBTCの難易度調整やBCHのハードフォークもあり、仕掛け的な動きが入りやすいために警戒すべきだろう。

下落警戒ゾーンに突入している状況ではあるが、現在は上昇トレンド中であり、ロングショート比率がショートに偏りすぎな水準であるために基本的には押し目買い戦略が好ましいだろう。

こちらは会員向けに5月3日に配信した情報を元に4日に作成および配信した動画ではあるが、今後の戦略の立て方として参考にして頂きたい。

※12:13~「短期的なショートは」は「短期的なロングは」の言い間違えですのでご了承ください。

図6をご覧いただければ、実際にこの動画で推奨した一つの押し目買いゾーンで綺麗に反転して上昇しているのがわかる。

(図6 動画で解説した押し目買いでの反応)

このように過去のパターンとテクニカルを組み合わせればエッジの効いたトレードが行える。

著者 トシムリン
学習プログラム「トレード帝王学」(仮想通貨を含むトレード学習に適する)で講師を務める。ヘッジファンドトレーダーなどの一部のプロしか辿り着けないトレードの真髄を人数限定で伝授!初心者も安心して学べて、大衆に惑わされず安定的に稼げる本質的トレーダー育成にフォーカスした日本トップレベルのトレード学習コンテンツを目指している。

トレード歴14年の現役為替トレーダー。20歳の頃から一度も就職することなく専業トレーダーとなる。6年間はトレードが上手くいかず一時借金を背負ったが、研究と分析を積み重ねて独自手法を編み出し、7年目からプラス収益となり、そこからは安定的に利益を出し続けている。 元ヘッジファンドトレーダーからトレードを学んでいた経験があり一般投資家が持ちえないマーケットの内部構造を多角的に分析して市場を予測していくことが得意分野。 分析能力と育成能力に定評があり、トレード教育によって多くの常勝トレーダーを輩出している。プロップファームのトレーナーも務めている。 「人生を通してこれからの激動な時代に向けて自分自身で稼げる本質系投資家を多く育成し、日本の投資教育のレベルを底上げすること」をミッションに掲げる。座右の銘は、「習慣は才能を超える」。