米国仮想通貨取引所クラーケンが6月のビットコイン(BTC)のボラティリティレポートを発表し、ビットコイン投資家は今後の推移を占うためにVIX指数を見るべきだと伝えた。

ビットコイン 今年2月以来の無風っぷり

クラーケンによると、6月のビットコイン取引高は366億ドル(約3兆9000億円)と4カ月ぶりの低さであり、今年2月以降で最も無風の月だった。また6月のビットコイン価格は4.4%のマイナス。変動幅としては2019年8月以来の低さだった。

一方、クラーケンは、ビットコインと米国株価指数S&P500の相関関係が上昇していると指摘。30日間の相関係数は5月末には0.08まで下がったが6月末には0.65まで上がり、年初来からの両者の関係には変化が見られると話した。

(出典:Kraken「ビットコインとS&P500 30日間ローリング相関係数」)

対照的にビットコインと金(ゴールド)の相関関係は低下。5月までは0.5とポジティブな水準で推移していたが、6月は1年間平均を下回るマイナス0.49まで下がった。

(出典:Kraken「ビットコインと金 30日間ローリング相関係数」)

ビットコイン投資家はVIX指数に注目を

7月9日のビットコイン 相場は、クラーケンのレポートに沿う動きを見せた。

ビットコインは9300ドルに苦戦して反落。24時間比で2%のマイナスを記録。新型コロナウイルス感染拡大への懸念から、9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落。前日比361ドル19セント安の2万5706ドル09セントで取引を終えた。S&P500とナスダックも下落した。

一方、金(ゴールド)は1オンスあたり1800ドルを超え、2011年以来の高値となった。

クラーケンは、今後、ビットコイン投資家は、投資家の不安心理を映すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のVIX指数(別名恐怖指数)に注目したほうが良いと指摘した。

「2月以降で伝統的なマーケットが大打撃を受ける中、ビットコイン価格とVIX指数は反比例の関係を示してきた。つまり、マーケットのボラティリティが引き続き小さくて株価上昇が続く限り、安定的ではないにしろ、ビットコイン は引き続き独特なマーケットの力学に反応することになるだろう」

(出典:Kraken「ビットコイン(赤)とVIX指数(青)」)

レンジ相場が長引くビットコインだが、クラーケンは、ビットコインはそろそろ6000~7000ドルのサポートまで下がるか、1万500ドルのレジスタンスを突破してさらに上昇するか決めるときが来ているとみている。