ビットコイン(BTC)は、5月2日の米国市場の取引開始後に数カ月ぶりの高値を更新した。米国の非農業部門雇用者数(NFP)が予想を上回る内容となったことが影響したようだ。

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BTC/USD 1-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

米雇用統計は予想を上回る結果に

トレーディングビューのデータによると、BTC/USDは9万7000ドルを超えて推移した。

4月の非農業部門雇用者数は17万7000人の増加となり、市場予想の約14万人を大きく上回った。

「労働市場は依然として堅調だ」と、トレーディング情報サイトのコベイシレターはXで述べている

一般的にこのような強い結果は、仮想通貨やリスク資産にとって強気材料とはなりにくい。堅調な雇用市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が高金利政策を継続できる余地を与え、利下げによる市場への流動性供給を遠ざけるからだ。

それにもかかわらず、S&P500およびナスダック総合指数はこの日1.3%以上の上昇を記録した。

一方、トランプ大統領はトゥルース・ソーシャルにおいて、FRBに対し利下げを求める姿勢を改めて示した。同氏は関税政策の実行と並行して、金融緩和を主張し続けている。

「消費者は何年も物価の低下を待っている。インフレはない、FRBは金利を下げるべきだ!」と投稿の一部で述べた。

Source: Truth Social

次回の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合は5月7日に予定されており、市場では金利変更がないとの見方が大勢を占めている。CMEグループのFedWatchツールによると、利下げの確率はわずか2%となっている。

Fed target rate probabilities for May FOMC meeting. Source: CME Group

ビットコイン価格の反落に警戒感も

ビットコイン市場の一部では、週初からの上昇に対する売り手側の動向に注目が集まっている。

「これからの動きは面白くなりそうだ」と、トレーダーのスキュー氏はXに投稿し、取引所の板情報を示すチャートを添えてこう述べた。同氏によれば、売り圧力が9万7200ドル付近で強まりつつあるが、現物市場の流れが引き続き相場のカギを握る可能性があるという。

BTC/USDT charts with order book liquidity data. Source: Skew/X

別のトレーダーであるダーン・クリプト・トレード氏は、現在の局地的な高値が「流動性狩り」に過ぎない可能性があると警告した。

「価格が約1週間、9万3000〜9万6000ドルのレンジ内で圧縮された後にブレイクアウトした。だが再びこのレンジ内に戻ってしまうようであれば、それは単なる流動性狩りだったということになる」と、経済指標発表前にXで投稿している

BTC/USD 1-hour chart. Source: Daan Crypto Trades/X

アナリストのレクトキャピタル氏は、週末に向けたビットコインのターゲット価格として9万9000ドルを挙げており、こう述べている。

「ビットコインが9万3500ドルを維持できれば、価格はレンジ内での推移を続けることになる。ただし、今週はレンジ内の上限付近、9万9000ドルあたりに位置する下降トレンドラインを明確に上抜けるかどうかが、今後の上昇トレンドへの転換を占う重要なポイントとなる」

BTC/USD 1-week chart. Source: Rekt Capital/X

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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