5月6日23時時点の仮想通貨相場は、まちまちの展開となっている。ビットコイン(BTC)はわずかに下落。5700ドルを下回った。一方、イーサリアムはわずかに上昇した。eToroのマティ・グリーンスパン氏は6日、クライアント向けのメモの中で今後のビットコインについてテザー騒動の影響が小さい点とテクニカル面から楽観的な見方を示した。

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(出典:Coin360

「ビットフィネックス・プレミアム」の影響

ニューヨーク州の司法長官によってビットフィネックスとテザーが巨額資金の損失を隠蔽していたと指摘されて以降、ビットフィネックスとその他の取引所のビットコイン価格の乖離が大きくなり、「ビットフィネックス・プレミアム」と呼ばれてきた。テザー売りがビットコイン買いが進んだ結果という見方が出ている。

ツイッターのフォロワーが9万人以上いる仮想通貨投資家DonAltは、「ビットフィネックス・プレミアム」を警戒。「これをなくすために売らなければならないだろう」とし、「多くの人々が同じことを考え、ショート(売り)に走っている」と述べた。「初めに上昇が起きて、その後下落するだろう」と予想した。

一方、グリーンスパン氏は楽観的だ。同氏は、2014年に破綻したマウントゴックスと比較。当時、マウントゴックスでビットコインは、急落する前に高値で取引されていたという。ただ、当時のマウントゴックスのビットコイン取引量全体に占める割合は60%〜80%であり、同氏は「現在は比べ物にならないほど分散化されているため、テザーに何が起きても、ビットコインは大丈夫だろう」とみている。「むしろ、これが終わった時により力強く回復するかもしれない」と付け加えた。

さよならシンプソンズ

急騰、横ばい、急落とジグザグな動きを見せるいわゆるシンプソンズチャート。米アニメのキャラクター、バート・シンプソンズの頭に似ていることからそのように名付けられた。

(出典:eToro マティ・グリーンスパン)

グリーンスパン氏は、過去2、3年間、何回もシンプソンズチャートが観察されたと指摘。今回も、4月2日の高騰、その後の横ばい以降、急落によってシンプソンズチャートが形成されるかもしれないと市場関係者は警戒していたそうだ。

しかしグリーンパン氏は、先週金曜日の上昇でこの可能性がなくなったと述べた。