ビットコイン(BTC)は、データが示すように、アルトコインとの新たな競争に直面している。テクニカル的にはすでに「アルトコインの季節」を示している。

CoinMarketCapとTradingViewからの数値によると、BTCのドミナンス(市場占有率)が現在、仮想通貨市場時価総額の約41%を占めている。2022年の開始以来最低水準だ。

ビットコインは時価総額の威信を失う

テラ(LUNA:現テラクラシック(LUNC))の崩壊で苦しんだ後、アルトコイン市場はここ数カ月でかなり回復している。

ビットコインが6月に1年半ぶりの安値となる17,600ドルから回復するとともに、アルトコインも独自の復活を遂げ、今やビットコインの強気派に一泡吹かせている。

CoinMarketCapによると、ビットコインの時価総額シェアは1月中旬以来最低となり、特に最大手のアルトコインであるイーサ(ETH)がここ数週間で脚光を浴びている。

6月19日に14.3%の安値をつけたイーサリアムのドミナンスは、現在19%に達している。

Bitcoin market cap dominance 1-week candle chart. Source: TradingView

アルトコインのドミナンスが上昇していることは、投資商品としてアルトコインがビットコインを上回る「アルトコインの季節」と呼ばれる。

正規化されたスコアは94/100で、「アルトコインの季節指標」は現在、2021年6月以来最も高くなっている。

アルトコインの季節指標では、スコアがゼロに近いほど、市場でアルトコインよりもビットコインを優遇していることを示す。アルトコインの季節は、「トップ50のコインの75%が、前回のシーズンでビットコインよりも良いパフォーマンスを示した」時とされ、「前回のシーズン」とは過去90日間のことだ。

Altcoin Season Index (screenshot). Source: Blockchaincenter.

ビットフィネックスのETHロングは5月の安値まで暴落

一方、ETHが今週、短い時間枠で低調なパフォーマンスを示したことで、イーサリアムがプルーフ・オブ・ステークに本格的に移行する「マージ」をめぐる論争が活発化している。

記事執筆時点の過去24時間で、ETH/USDはほぼ7%下落し、BTC/USDはこの日の数時間で1,000ドルも下落した。

8月10日の米国消費者物価指数(CPI)発表に対する神経質さが下げに寄与したと、コインテレグラフの寄稿者マイケル・ヴァン・デ・ポッペ氏らアナリストは主張した。

一方、オンチェーン指標は、仮想通貨取引所ビットフィネックスの主要プレーヤーがロングETHのエクスポージャーを大幅に減らしたことを指摘し、次はダウンサイドがほぼ確実との考えを示した。

執筆時点では、ロングは5月のテラ事件直前と同じ安値圏にある。
 

ETH/USD longs 1-day candle chart (Bitfinex). Source: TradingView

それでもデ・ポッペ氏は、今後のETHの値動きについて、冷静になるよう呼びかけた。

「人々はすでに最初のわずかな下落でイーサリアムの300ドルまたは600ドルのターゲットを点滅させている」と指摘した。

"人々は自分のバイアスに大きく囚われているという事実にもかかわらず、文字通りその必要はない。そのバイアスのせいで、彼らは市場を客観的に見ることができないかもしれない。"

ETH/USD 1-hour candle chart (Binance). Source: TradingView