IOVラボ(IOV Labs)は2月4日、仮想通貨ビットコイン(BTC)の双方向(2WP)サイドチェーン「RSKプラットフォーム」とイーサリアム(ETH)間において、ERC-20規格トークンをやり取りできるスマートコントラクト「トークン・ブリッジ(Token Bridge)」の立ち上げを発表した。 RSKは、ETHのスマートコントラクト実行環境(EVM)をフォーク(分岐)させたRVM(RSK Virtual Machine)を利用可能なBTCサイドチェーン。ユーザーは、RSKブリッジ用ウォレットを介することで、BTCと1:1でペッグされたrBTC(RBTC。スマートビットコインと呼ぶ)をネイティブトークンとして入手できる。

RSK開発を担うRSKラボは、これらRSK環境と、ETHの分散型アプリ(Dapps)エコシステムおよびERC-777(ERC-20互換)規格トークンを双方向で結びつけるものとして「トークン・ブリッジ」を開発したという。

どのように機能するのか?

ユーザーは、任意のブロックチェーン(アドレス)からRSK提供のアドレスにトークンを送ると、トークン・ブリッジによりもう一方のブロックチェーンで同量の「RSKサイドトークン」を受け取れる。

トークン・ブリッジは、ERC-20規格互換として機能しつつ、トークンを送受信できるETHスマートコントラクト向け規格ERC-777に従い、RSKサイドトークンを作成している。FAQ文書によると、この時元のトークンはトークン・ブリッジ上でロックされ、(ERC-777規格トークンとして作成された)RSKサイドトークンはETHブロックチェーン上で自由に移動できるとしている。またRSKサイドトークンを元のブロックチェーンに送り、元のトークンに戻すこともできるという(元のトークンのロックが解除され、RSKサイドトークンはバーン/焼却される)。

コインテレグラフは、IOVラボのRSK戦略担当エイドリアン・アイデルマン(Adrian Eidelman)氏に問い合わせたところ、今のところトークン・ブリッジは完全には分散化されていないことを明らかにした。

アイデルマン氏は、BTCとETHの接続のために「有名で尊敬されているコミュニティメンバー」で構成される「RSKフェデレーション」が、ペッグプロセス(トークンのロック・解除)を監視していると述べた。この仕組みは、どちらかのチェーンにおける開発者がトークン・ブリッジを利用する際に実施されるとして、アイデルマン氏はETHを例に説明した。

「元のトークンはETHチェーン上でロックされ、『イベント』が作成される。この時点でRSKフェデレーションはブリッジを開始し、情報をRSKチェーンに送信する。RSKフェデレーションの50%以上が同じ取引に投票すると、RSKチェーンのブリッジがETHチェーン上でロックされたトークンと同じ数量のERC-20トークンを作成する」

RSKラボによると、トークン・ブリッジはスマートコントラクト開発用ライブラリー「オープンツェッペリン(OpenZeppelin)」を用いてアップグレード可能なように開発しており、2020年第3四半期には完全分散型に移行する計画だという。

またBTCペッグのステーブルコインなどを展開する「マネー・オン・チェーン(MoC)」プロジェクトは、RSK上に構築されたDeFi(分散型金融)を展開しつつあり、担保にrBTCを利用している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

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