ビットコイン（BTC）が史上最高値を更新する中でも、取引所における買い注文が売りを大きく上回り、強気派が市場を支配している様子が明らかになった。

オンチェーン分析プラットフォームのクリプトクオントによると、90日間の累積出来高デルタ（CVD）は引き続き買い手側に偏っており、強気派の優位が続いている。

「上昇トレンドは継続する可能性」

クリプトクオントの寄稿者イブラヒム・コサル氏は、ビットコインの価格が過去2カ月足らずで50％も上昇する中で、売り手の影響力が大きく後退したと指摘する。

「要するに、買い注文（テイカー・バイ）が再び優勢となっている。つまり、市場では売り注文よりも多くの買い注文が出ている状態だ」とコサル氏は述べた。「これは概ね上昇トレンドが継続する可能性を示唆している」とも付け加わえた。

Bitcoin spot taker CVD. Source: CryptoQuant

この「累積出来高デルタ（CVD）」は、過去3カ月間の買い注文と売り注文の差を示す指標であり、3月中旬までは売り圧力が支配的だった。ビットコインはその間、4月はじめに7万5000ドルを下回る安値を記録していた。

その後は中立状態が続いたが、5月に入り買い手の優位性が再び顕著になっている。

「現状のまとめとしては、ビットコインが11万ドル超の新たな最高値を試す中で、買い手は撤退していない。この動きはさらなる上昇フェーズの布石となる可能性がある」とコサル氏は分析した。

ホドラーは売却を見送り

さらに現在の水準では長期保有者（ホドラー）によるコインの売却は限定的となっている。

調査データによれば、2024年12月にビットコインが10万ドルに初めて到達した際と比べ、現在の利益確定売りは半減しており、価格は10％高いにもかかわらず売り圧力は強まっていない。

オンチェーン分析企業グラスノードも「今回は古いコインの動きが著しく少ないことが確認されており、より強固なホールド姿勢がうかがえる」とX上で指摘している。

またクリプトクオントは、直近6カ月以内に購入された短期保有者（STH）の平均取得価格をビットコインが再び上回ったことを受けて、上昇モメンタムが加速していると解説した。

「短期保有者の平均取得コストを回復した後にビットコインが上昇しており、これは強気相場における典型的な『押し目買いシグナル』となる水準である」とクリプトクオントはX上で述べている。

Bitcoin STH cost basis data. Source: CryptoQuant

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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