主なポイント:
ビットコインは予想されていた10万7,000ドルまで下落後に反発。米インフレ指標の鈍化が強気派を後押し
米ドルは予想を上回るインフレ鈍化を受けて下落
月末までにビットコインが過去最高値を更新するとの見方も浮上
ビットコイン(BTC)は、6月12日の米市場開始時に10万7,000ドル付近まで下落した後、反発した。これは米インフレ指標の鈍化によりドルが売られたことが背景にある。
PPIの予想下振れでビットコインが反発
Cointelegraph Markets ProとTradingViewのデータによると、BTC/USDはビットスタンプで10万6,600ドルまで下落したが、その後持ち直した。
この反発は、米卸売物価指数(PPI)が市場予想を下回り、2024年9月以来の小幅な上昇率となったことに支えられた。
この動きは、前日に発表された消費者物価指数(CPI)の結果と同様で、仮想通貨やリスク資産にとっては二重の追い風となった。
コインテレグラフが報じたように、インフレの鈍化は、米連邦準備制度理事会(FRB)にとって早期の利下げに踏み切る余地を与えるとみられており、それは仮想通貨などへの資金流入につながる可能性がある。
ただし、FRBは2025年に入っても依然としてタカ派的な姿勢を維持しており、ドナルド・トランプ大統領が利下げを求めているにもかかわらず、その方針を崩していない。
CMEグループのFedWatchツールによると、次回の利下げは9月のFOMCで実施されるとの見方が強まっている。6月18日のFOMCでは、金利は据え置かれるとの予想が大勢を占めている。
インフレの結果を受けて米ドルは下落し、ドル指数(DXY)は2022年3月以来の水準まで低下した。
QCPキャピタルは現在の市場環境について、米中貿易協議の行方に引き続き注目しているとしながらも、全体として仮想通貨の強気派に有利なトレンドが続いているとの見解を示した。
同社がテレグラムのチャンネル購読者向けに発行した最新のレポートでは、次のようにまとめられている。
「小幅な調整は見られるものの、マクロ経済環境は依然として、機関投資家による仮想通貨分野への参入や資本投入を後押しする建設的な状態にある」
BTC、月末までに11万6,000ドル到達の可能性も
一方で、BTC/USDは24時間で約4,000ドル下落しており、短期的な方向性に対する不透明感も残る。
トレーダーのDaan Crypto Trades氏はX(旧Twitter)で、「現在の月間高値か安値のいずれかを抜けた場合、その方向へのトレンドが6月中(あるいはそれ以降)も続く可能性が高い」と述べた。
「その水準に注目している」
市場では以前から10万7,000ドルまでの調整が想定されていた。Hyperliquidの著名トレーダー、ジェームズ・ウィン氏はこの反発水準を事前に予測していた。
トレーダーのKilla氏はX上で、「現在の相場構造は引き続き強気。ビットコインは局所的な供給圧力を跳ね返し、10万6,000〜10万7,000ドルの需要ゾーンに差し掛かっている」と指摘。
「この水準は市場構造上かなり重要。もしここを維持できなければ、CME先物の未埋めギャップを埋めに行く可能性が高い」
さらにKilla氏は、6月末までに11万6,000ドルの過去最高値を更新する可能性があるとの見通しを示した。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。