仮想通貨市場でビットコインの存在感が増している。19日、仮想通貨全体の時価総額に占めるビットコイン時価総額の割合である「ビットコイン・ドミナンス」が50%を超えたのだ。これはこの二年間で始めてのことだ。

ビットコインの現在の時価総額は約74兆円だ。

「ビットコイン・ドミナンス」は2022年11月以降10.5%以上上昇しており、これはFTX破綻等の相場の危機を受けて投資家がビットコインを安全資産として注目していることを示している。

過去4日間の「ビットコイン・ドミナンス」出典:TradingView。

「ビットコイン・ドミナンス」が大幅に上昇した一方で、イーサリアム(ETH)のドミナンス(市場占有率)は、この1年間の大半で20%前後で推移している。

ビットコインとイーサリアムの時価総額をあわせると仮想通貨市場全体の約70%を占めている。

米上場会社マイクロストラテジー共同創業者であり、ビットコイン強気派のマイケル・セイラー氏は、今後数年でビットコインの市場占有率が80%を超えると考えている。米証券取引委員会(SEC)による規制強化をうけ、ステーブルコインやその他の大半の仮想通貨が「消えていく」からだという。

「仮想通貨業界はビットコインを中心に合理化される。ビットコインが主流になるだろう」とセイラー氏は語っている。

またセイラー氏は、ビットコインの代替として位置づけられた2万5000種類の他の仮想通貨がもたらす「混乱と不安」が原因で、「巨大な機関投資家の資金」が仮想通貨市場に流入していないと指摘している。

「ビットコインは、この業界で普遍的かつ世界的に認められたデジタル商品である」とセイラー氏は付け加え、ビットコインが唯一、SEC委員長ゲーリー・ゲンスラー氏がコモディティとしてラベル付けした仮想通貨であることに言及した。SECはこれまで68種類の仮想通貨を証券として宣言している。

ビットコインは現在、1BTCあたり27000ドル弱で取引されている。仮想通貨市場の「恐怖指数」が3カ月ぶりの最高水準に達しているにもかかわらずこの一週間で3%以上上昇している。仮想通貨分析会社サンティメントは、米投資運用会社大手ブラックロックがビットコインETFを申請したことが、過去数日間のビットコインの上昇要因の一つであると指摘している。<終>