ビットコイン(BTC)がバイナンスUSで約3000ドルのディスカウント価格で取引され、バイナンスグローバルのスポット価格よりも大幅に値引きされているようだ。ただ、多くの投資家はこの恩恵に預かれるわけではなさそうだ。
7月9日、多くの仮想通貨ユーザーが、バイナンスUSに上場している仮想通貨とバイナンスグローバルのスポット価格との間に価格のズレが広がっていることに気付き始めた。

ビットコインは現在、バイナンスUSで米ドルに対して27536ドルで取引されており、これは執筆時点のバイナンスグローバルのスポットUSD価格の30106ドルから約8.5%のディスカウントだ。
他の仮想通貨も米ドル換算でディスカウント価格で取引されている。ETHの価格はバイナンスUSでは約200ドル安く、執筆時点で1695ドルで取引されている。一部のステーブルコイン、例えばUSDTも0.915ドルと、ペグを下回って取引されている。
WOAH. Bitcoin is trading at $26,970 on binance US vs it’s $30,300 (real price)
— borovik.eth (@3orovik) July 9, 2023
Ethereum is $200 lower than normal
USDT is at 0.889 cents pic.twitter.com/LgKeMEDZQv
しかし、これらの仮想通貨のディスカウントは魅力的に見えるかもしれないが、実際にはほとんどの投資家がこれらを利用することはできない。
このディスカウントは、取引所で米ドルと取引される場合に限り適用される。問題は、バイナンスUSのユーザーは6月9日以降、新たに米ドルをプラットフォームに預けることができないことだ。現在アカウントに既に存在するUSDでしか購入できない。
また、バイナンスUSが近いうちにUSDの出金を停止するとの懸念から、一部のユーザーは仮想通貨を市場価格より安く取引し、米ドルでのポジションを手放すことを選んでいる。
バイナンスUSから顧客へのメールによると、米ドルの最終出金日は7月20日だという。
バイナンス・オーストラリアで5月下旬に似たような事態が発生した。当時、同社の第三者決済プロバイダが法定通貨のオン・オフランプを閉鎖した。
オーストラリアドルに対するBTCの価格は、バイナンスグローバルのスポット価格と比較してバイナンスオーストラリアで20%下落した。