仮想通貨ビットコインは10日、一時300ドル急落し、1万ドルを割った。Coin360のデータによると、9850ドルまで下落した後に反発し、現在は9900ドル付近を推移している。

仮想通貨ビットコイン

(出典:Coin360 「BTC/USD 1日 2月10日午後17時30分」)

CMEのギャップ埋めとクジラの影響か

こうした急激な下落は先物市場で週始まりの取引開始と一致しており、先週金曜日の取引の最後に残っていたCME(米シカゴ先物市場)が提供するビットコイン先物の「ギャップ(窓開け)」を埋めたために起きたと考えられる。

CMEのビットコイン先物には週末などマーケットが休みの際にチャート上にギャップが生まれ、経験上このギャップは埋められる傾向があった。

CME先物は先週9850ドルで終了しており、今回の価格と一致する。

CME先物

(出典:TradingView 「CMEビットコイン先物」)

また価格が下がったことでデリバティブ大手ビットメックスで一回のトランザクションで200万ドル以上のBTCを購入したことが確認されており、こうした「クジラ」の動きも影響しただろう。

コインテレグラフに寄稿するテクニカルアナリストのflibflibは1万ドルのサポートを割ったことについて「週末に1万ドルを突破したことと、CMEギャップを埋めるために価格が動いたことは高い確率で起こることが予想できた」とし、問題は1万ドルを再び回復するのにどれだけ時間がかかるかどうかだという。もしくはより低い値でのテストが発生するかを見る必要があると指摘した。

一方で、ギャップが埋まったあと、全体的に好調を維持しており、CMEビットコイン先物はすでに1万ドルを超えて取引がされている。


マイナーの損益分岐は12000ドル以上に

1万ドル推移している現在、目下の話題は半減期だ。半減期に向かってどれだけ価格が上がっていくかが課題となる。特に長期の価格に影響を与えるビットコインマイナーのインセンティブに影響を与えることは必至だ。

ビットコインのハッシュレートは上昇を続けており、現在120エクサハッシュを超えて、過去最高を更新し続けている。明日には2週間に一度の採掘難易度(Difficulty)調整を控えるが、調整値は1.3%付近となる予定で、3回連続5%のプラス調整から一転、今回は大きな調整はない見込みだ。

マイナーの損益分岐点は半減期後に2倍になるため、利益を上げるにはビットコイン価格がこれまで以上に高値を記録する必要がある。

この価格について、ブロックタウンキャピタルのマネージングパートナーを務めるジェームス・トダロ氏は、半減期後のマイナーの損益分岐点を12000ドル〜15000ドルになる必要があると指摘した。


アルトコインではLISKが爆騰

一方で暴騰しているアルトコインがある。LISKだ。週末に50%超の大幅な上昇を見せ、足元では2.4ドル付近で推移、過去24時間で30%超と急激に上昇を続けている。

Lisk

(出典:Coin360 「LISK/USD 1日」 2月10日午後17時30分)

LISKはスイスに拠点をおくリスク財団が運営。開発拠点をドイツにおいている。コンセンサスアルゴリズムにDPoSを採用し、サイドチェーンによるスケーラビリティ問題に取り組んでいる。

現在は高騰しているLISKだが、昨年12月から1月にかけては価格が大幅に下落していた。

しかし、コインチェックのステーキングサービス開始や、バイナンスが今月6日にLSK/USDTの取引ペアなどの発表もあり、市場が好感した模様だ。