アフリカ最大の経済大国ナイジェリアは仮想通貨採用の最前線となっており、同国におけるピアツーピア(P2P)のビットコイン(BTC)の流通量は増え続けている。Quartz Africaによると、ビットコインのP2P市場「Paxful」のデータにおいて、ナイジェリアは米国に次いで世界第2位の取引量を誇っている。
Paxfulプラットフォームにおけるナイジェリア国民の取引量は2015年以降6万200BTC以上となっており、同時期の取引額はおよそ5億6600万ドル。コインダンスのデータでは、12月12日までの1週間に8億8630万ナイラ(約23億ドル)の取引活動が記録されている。
ナイジェリア国民の間でビットコインの魅力が上がっているのは、複数の要因が重なったことが原因と思われる。中でも主な要因として、ナイジェリア中央銀行(CBN)の厳格な外為政策や、同国の法定通貨であるナイラの急速な下落がある。12月16日の公式発表において、CBNは国際送金業者(IMTO)に対し、海外在住の自国民への送金をナイラで処理するのをやめるように指示した。
中央銀行によると、この措置は、国民が外国通貨の口座で国際送金を受け取れるようにする新たな方針に沿ったもの。CBNはまた、TransferWiseとAzimoのIMTO2社の国内操業を認めない旨の通知を出した。
CBNは、より厳格な外為のマイクロマネジメント政策を一部緩和しているが、ナイラの流通量が減少したために、多くのナイジェリア人が別の通貨に手を伸ばしているようだ。インフレが高まったり、自国の法定通貨への信頼が下がったりしている国では、ビットコインの利用が実際に増える傾向にある。
テクノロジーに詳しい若者(年齢中央値は18歳)にとって、政府の支配下にある本流の銀行・金融アーキテクチャーに代わって、ビットコインが代替手段となる可能性が高い。10月には警察の暴力に対する抗議活動があったが、政府がデモ隊の支援者の口座を凍結するよう銀行に命じた際、デモ隊はBTCなどの仮想通貨の寄付にシームレスに移行した。
Google Trendsのデータによると、ナイジェリアは依然、ビットコインに関する検索の関心度で世界トップに位置している。しかしながら、仮想通貨やブロックチェーン空間の規制についてはまだ具体化していない部分がある。
9月には、ナイジェリア証券取引委員会(SEC)が国内の仮想通貨の規制枠組みをつくる計画を発表した。この際、SECは証券でないと証明されない限り、仮想通貨資産を証券として扱うと宣言した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン