ビットコイン（BTC）はクリスマス翌日に9万ドル水準を狙う動きを見せた。一方、金や銀といった貴金属は、相次いで過去最高値を更新した。
オプション満期後の環境改善に期待
トレーディングビューのデータによると、BTC価格は金曜日に2％超上昇し、アジア時間の取引で上値を維持した。
米国市場の寄り付き前、トレーダーの注目は約240億ドル規模に達するビットコインの大規模オプション満期に集まった。これは市場がリセットされ、価格上昇に向かう契機になるとの見方が出ている。
トレーダーのビットブル氏はXへの投稿で、「これらの契約が失効すると、価格を押さえつけてきたヘッジ圧力が弱まる」と指摘した。
「その後はデリバティブの仕組みではなく、実際のポジション取りが価格に反映される。そこで初めて方向性が明確になることが多い」と述べている。
ビットブル氏は、最近のBTC価格の動きについて、オプションの影響により「本来の需給に基づく動きが乏しい」と表現した。
仮想通貨アナリストのミカエル・ファン・デ・ポッペ氏も、新年以降に暗号資産市場の環境が改善するとみている。
「1月は資産運用会社がポートフォリオを再配分する時期だ。多くのチャートを見れば、どこに向かうかは明らかだ」と同氏はXに投稿した。
「コモディティは調整が近い。テクノロジー株はすでに大きく上昇しておりリスクが高い。株価指数はまだ安定しているが、最終的には仮想通貨とビットコインだ」と述べた。
同氏は、金と銀がアウトパフォームしている点にも触れ、当日も両者が最高値を更新したことを指摘した。インフィニット・マーケット・キャップのランキングによれば、銀は時価総額でビットコインを上回り、世界第3位の資産となり、首位は金、2位はエヌビディアとなっている。
レンジ相場からの脱却なるか
短期的なビットコイン市場は、引き続き「レンジ相場」が特徴となっている。
Never short a boring market pic.twitter.com/8ToFRKZacL
— exitpump (@exitpumpBTC) December 26, 2025
ロング・ショート双方のエントリー判断が難しく、コイングラスのデータによれば、9万ドル近辺への上昇だけでも、24時間で2億ドル超の清算が発生した。
分析アカウントのクリプト・イデオロジーは、「日足終値が鍵だ」と主張し、2カ月続く下落トレンドからの離脱を試みる価格動向を示した。
「明確なブレイクアウトが確認されれば、次は9万5000ドルへの動きが開ける。9万5000ドルを上回って定着すれば、週足の50週移動平均線、すなわち10万ドル付近への上昇が視野に入る」と述べている。
記事執筆時点で、ビットコインの50日間単純移動平均線（SMA）は9万1458ドル、指数平滑移動平均線（EMA）は9万2651ドルとなっている。
ファン・デ・ポッペ氏は、暗号資産市場について「著しく過小評価され、価格形成も歪んでいる」と述べ、流動性の回復とともに「数カ月以内に過去最高値への再挑戦がある」との見方を示した。
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