著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
先週(4日〜10日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比794,846円(14.86%)高の6,142,294円と2週続伸し、5ヶ月ぶりに600万円を上回り終値を付けた。対ドルでは、54,000ドル台後半を回復している。
米国の期待インフレ(BEI)上昇やビットコイン上場投資信託(ETF)の承認期待が高まる中、8日金曜日のBTC相場は620万円台後半に乗せ、対ドルでは56,000ドルにタッチした。しかし、この日の夜の米雇用統計発表を控え警戒感もあったか、相場はその後反落。雇用統計は市場予想が50万人前後の非農業部門雇用者数の増加に対し、わずか19.4万人との結果になり、景気回復への懸念が株価の重石となると、BTCは620万円を割り込み604万円(≒54,000ドル)周辺まで下落した。
一方、この日は米10年物BEIが2.5%台、5年物が2.6%台中盤まで上昇したこともあり、その後のBTC相場は54,000ドル周辺で底堅さを印象付ける推移に転じ、翌9日からは徐々に戻りを試す展開。今朝方には、シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物取引開始と共に荒い値動きを演じる場面もあったが、相場は高値圏で徐々に安値を切り上げている。
第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成