著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

28日のビットコイン(BTC)対円相場は3.8万円高(+ 3.85%)の103万円と2日続伸し、8日ぶりに終値で100万円を回復した。今月20日の相場反落以降、低迷するハッシュレートが相場の重石となっていたが、27日からハッシュレートは持ち直し、この日は100E hash/s台に浮上する場面も見られ、実需売りへの懸念が幾分後退したと共に、香港をめぐる米中の応酬が逃避買いを想起させ相場の支えとなっている格好だ。中国当局は、この日行われた全国人民代表大会(全人代)で「香港国家安全法」の導入方針を採択。9月にも成立が想定される本法により、中国当局は香港にある自国民の資産を凍結することが可能になることから、中国本土の資産家が香港からのキャピタルフライトを図ると市場では見込まれており、暗号資産(仮想通貨)市場では何かと注目される「チャイナマネー流入」も意識されている模様だ。こうした材料を背景にショートの踏み上げも入り、直近2日間の相場は93万円から103万円台前半まで戻し、安値切り下げを回避。100万円周辺での揉み合いが継続し短期的に方向感を欠いているが、足元では、7日高値(107万円)と14日高値(106万円)を起点とする下降トレンドラインを伺う展開となっている(第1図)。

第1図:BTC対円チャート 日足 出所:bitbank.ccより作成

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。