著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
5月第2週(4日〜10日)のビットコイン(BTC)対円相場は1.78万円安(- 1.87%)と6週ぶりに反落。週末までの相場は、間近に迫る半減期と米失業保険関連指標の下振れを材料に強含み、7日には心理的節目の100万円を回復し、対ドルでも節目の1万ドルにタッチした一方、翌8日には過熱感や目標達成感で上げ止まった。9日に米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したCOTレポートでは(第1図)、5月5日時点のファンド勢ロングポジションが前週比で1288枚増の3312枚となり、過去最高の3417枚に近づいたことが買い余力の限界を想起させ、徐々に利食い売りが優勢となると、相場は翌10日に節目の9500ドル(≒101万円)を割り込み大量のロングのロスカットを誘発。一時は9日終値(101.6万円)から15%ほど押したが、200日移動平均線が相場のサポートとなり、この週の上げ幅を掻き消すもこの日の終値は7.98%安に止まった。
(第1図:BTC先物(CME)建玉残高(上段)、ファンド勢ポジション推移(下段) 出所:CFTCより作成)